ネットナンパ師“スケベガオ”の
今宵のベッドはキミと共に

【6】 やりまくりセックスライフ


 雪ちゃんと手をつなぎながら繁華街をブラブラ歩いてラブホを目指す。ふたりとも上機嫌だ。ホロ酔いなのもあるが、この先の行動に一切の焦りを持ち込む必要がない状態になっているからだ。雪ちゃんは雪ちゃんで、「ラブホでお泊りしたい」と宣言してるし、僕は僕で、「どうやって連れ込もうか」などと最早考える必要もない。長年のカップルのように、ラブホへウォークインするだけだ。明日の朝までずっと雪ちゃんと一緒。たっぷり雪ちゃんを可愛がってあげられる。そう思うだけで、ワクワク。きっと、雪ちゃんも同じだったろう。

 さて。ここからが大切なところだ。妻や恋人などと異なり、さほど身体が馴染んでいない女性に対しても、そこそこのセックスができるという自信が、男には必要である。それも、根拠のある自信でなくてはダメだ。

 特定の相手とだけセックスを繰り返していると、その女性の満足する姿態に「俺のセックスはこれでいいんだ」と自信過剰になってしまうことがあるが、これはダメの一例である。
 長年の付き合いでお互いに身体が馴染んでいるだけだからだ。これでは、女性を満足させることはできない。でも逆に、特定の女性以外とは「どう接していいかわからない」と臆病になってしまうこともある。これもダメだ。経験者同士がセックス前提に会うのだから、相互にそこそこは技巧を凝らすべきだし、これが俺のセックスだと、堂々と女性を抱く必要もある。スイッチの入っている女性を目の前にして、おどおどしているなんて、男としてみっともないし、そんな男に抱かれたいと女も思わないだろう。

 その点、僕はラッキーだったと思う。処女の海ちゃんのお相手は「徐々に開発していく」ことだけに集中せざるをえなかったので、「余計なことを考える」必要が無く、余計なことを考えないままに妻以外の女性と交わる実体験の機会を得ることができたからだ。処女っ子を女に成長させたという根拠に基づいた自信も持てたし、彼女とのお付き合いを経ることで、初めての女性にどう接していいかわからない、なんてことも、もう、ない。

 女性にとってもこれは似たようなものかもしれない。だから、男は女に、それなりの気遣いをする必要がある。だが、雪ちゃんには、不要だ。旦那以外に数人の男に抱かれているからだ。そしてまた、別の男にまもなく抱かれる喜びが全身を包んでいたに違いない。

 全裸になった雪ちゃんは、まばゆいくらいに美しかった。「あたし、デッチリでしょ?」って言うけれど、腰のくびれと対照的にボンと張り出したヒップは、たまらなくそそる。
 そして雪ちゃんは、「あたしに触れたらダメよ」と一言、様々な手技舌技を繰り出し始めた。

 下腹部からアナルまで、雪ちゃんは肝心な部分を微妙に避けながら、指先を何度も何度も往復させる。その間、僕は、ひたすら快感に耐えるだけ。今度こそ、今度こそ性器を愛撫してもらえるという期待は、その直前で裏切られる。一番感じる部分に差し掛かると、指がスッとそこを外してゆく。
 さすが人妻だ。

 やがて、フェラに移行。僕ばかり感じさせてもらっていては悪いから、彼女の身体のどこかに触れようとすると、「ダメ。今日はあたしが一方的にするの!」と、手出しを許してくれない。そうこうしているうちに、彼女の口に出してしまった。
 雪ちゃんは嬉しそうに、「口に出されたの、初めて」という。僕は驚いたが、「そんなテクニックがあるのって、身体を売ってる女性だけかと思った」とのこと。いえいえ、それはテクニックだけの問題でなく、相手をタップリ感じさせたいという「心」によるものが大きいのですよ。

 彼女が言うには、メールのやりとりで、何度も何度も励まされた「これは、お礼」なのだとか。「どうしたら、スケベガオさんが喜ぶのか、考えたの」だって。かわい〜!!

 さて、お礼のあとは、普通のセックスだ。僕からもガンガン攻める。
 雪ちゃんが実はゴム絶対派だと知ったのは、ずっと後のこと。この日は自然な流れで、ナマで結びつく。今から思えば、絶対ゴム派の雪ちゃんが、何も言わずに生挿入を受け入れたのは、中で出されてもいいと思っていたのかもしれない。その時は、そこまで思い至らずに、僕は外に出したわけだが……。

 入浴後、もう一回交わって、「おやすみなさい」……。でも、なぜか会話は断続的に続く。そして、まどろんだ頃に「ねえ、触っていい?」
「うん、いいよ」
 そうして、また、まぐわいが始まる……。
 彼女から求めることもあったし、僕から求めることもあった。若干のまどろみをはさんで、何度も何度も求め合う僕と雪ちゃん。こうして、いつのまにか、朝を迎えた。

 この日以降、雪ちゃんとは頻繁に会うことに……は、ならなかった。遠距離というほどではないものの、片道4〜5時間はかかるし、朝から晩まで2人とも自由にできる時間のある日が重なる、というのもなかなか実現しなかった。
 だから、どうしても泊まりが主体になる。夕方から朝までのデートのほうが都合がつきやすく、ゆっくり過ごせるからだ。

 こうして雪ちゃんとのお付き合いは、相互に行き来して、どちらかの地元に近い場所でお泊りをする、というパターンが中心となり、まあせいぜい年に2〜3回。一緒に温泉旅行にも行った。こんな関係が、3年ほど続いた。
 同時に、海ちゃんとのデートの感覚は、2〜4週間くらい。不定期だが、地元なので、数日先の約束を取り合っては、デートを繰り返していた。


ぶるう浪漫:こんにちは。今回もよろしくお願いいたします。
スケベガオ:こちらこそ、よろしくです。
ぶるう浪漫:さて。前半は、根拠のある自信がどうとか、比較的うっとおしいことが書いてありますが……。
スケベガオ:そうですねえ。実はこのコーナーで書かせてもらっているエピソード以前にも、2人ほど会えたことがあったんですが、その時、うまくいかなかったんですよ。
ぶるう浪漫:え? かつてはまるで全敗のような書き方をされてましたが、それは、嘘だった、と?
スケベガオ:嘘、というか、会ってエッチするところまではいったけれども、会っている間ずっとぎくしゃくした感じだったし、会話も弾まないし、セックスもそれほど良くなかったし、もちろん、また会いましょうという話にもならなかった。これはもう「全敗」のうちのひとつだな、と。もちろん、最初は書く気もなかったし、こんな対談だから語りますが、今でも本文に書く気はないんです。
ぶるう浪漫:つまり、自信過剰や臆病というのでは、セックスも楽しめない、と。
スケベガオ:そう。そういうことを、お伝えしておきたかったんです。「ラッキー」って書きましたが、これは誰にでもあることじゃないですよね? しかも、こういう出会いを望んでいるなら、慣れ親しんだ女性以外とエッチするってのも、誰だって最初の第一歩があるわけで。
スケベガオ:そうです。そういう時の参考になれば嬉しいし、参考にならなかったとしても、一度や二度の失敗でめげちゃいけませんよ、ということです。
ぶるう浪漫:そして、後半……。いよいよ、雪ちゃんと、エッチしちゃいましたね。
スケベガオ:はい。しちゃいました。
ぶるう浪漫:以前、シティーホテルに泊まるか、ラブホに泊まるか、スケベガオさんが聞いてますけど、その時点で彼女には、シングルルームふたつとって、別々に泊まるっていう選択肢はあったんですか?
スケベガオ:もちろん、有です。
ぶるう浪漫:じゃあ、100%エッチすることになる、とは思っていなかった?
スケベガオ:彼女がお泊り前提で来てるってわかった段階で、まあほぼ100%だとは思ってましたし、仮にシングルルームふたつという選択肢を選んだとしても、どっちかの部屋で呑み&おしゃべりになるでしょうから、そのままエッチに突入、にはなっていたと思います。
ぶるう浪漫:ものにデキるという自信があったから、彼女に選択肢を与えた?
スケベガオ:いえ、そうではなくて……。万が一、本当に彼女が「そんなつもりじゃなかったの」だった場合に、とっても仲良しになったこの関係が壊れるのが怖かったんですよ。 ぶるう浪漫:またまたあ。そんな弱気なこと……。
スケベガオ:いや、弱気ですよ。基本的には。もちろん、彼女に選択肢を与えずに、黙ってラブホに向かっても良かったんですが、彼女自らの口から、「抱いて」に等しい言葉を聞きたかった、てのもあります。
ぶるう浪漫:海ちゃんとも、エッチするまでに4回もかかってますし、結構まどろっこしいものなんですね。
スケベガオ:ただまあ、海ちゃんの場合は、最初からセックステーマの会話でしたからね。早いか遅いかの違いです。でも、雪ちゃんの場合は、友達ですから。
ぶるう浪漫:セックス無しでも、別にかまわなかった?
スケベガオ:いやあ、本心を言えば、ヤリたいですよ。それも、「既に仲良くなりすぎて、これ以上仲良くなるためには、エッチするしかない」ってところまで、多分、お互いの魂は近くにいたと思います。
ぶるう浪漫:お〜お〜、カッコつけちゃって……。
スケベガオ:初回のデートで無理やりヤッて嫌われるくらいなら、回数を重ねてそういう関係になるって手もあるって考えてましたしね。でも、このとき、彼女を抱いたのは正解でしたよ。エッチしなくても、2人の友達としての仲は続いたと思いますが、最初に出会ったこの段階でシテなければ、次からも無かったでしょうし、2度目のデートの時にそんな話をしたら、彼女も同じことを感じてたってことでしたから。もし、初回のデートでエッチしてなければ、きっと、身体の関係の無いお友達として続いたと思います。でも、その場合は、きっと、会う頻度は極端に少なくなっていたでしょうね。なにかのついでがあるからちょっと寄る、ていう程度になったんじゃないかって思います。まして、温泉旅行なんて、絶対ありえなかったですよ。
ぶるう浪漫:やっぱ、わざわざ会う機会を作らないと会えない男女ってのは、その先にエッチがあるのとないのとでは、モチベーションが違うということですね。
スケベガオ:そうかもしれません。


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