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どんな格好をしているのと訊かれて、あたしは「シャツ一枚だけ」と答えました。
どんなシャツ?
うーんと、薄いグリーンで、襟があって、前をボタンで止めるやつ。男の人のワイシャツの柔らかくてぐんにゃりしたようなの。
あたしは問われるままに答えていました。なにしろ電話だし、相手はあったこともなければこの先あうこともない人。
パンティは?
つけてないよ。
どうして?
1人暮しだから、部屋ではどんなカッコしててもいいの。
部屋の中ではあたしはいつも、Tシャツやカジュアルシャツなど一枚で過ごしています。会社では制服、いきかえりはスーツ、檻に入れられているみたいで肩がこるからです。ただし、シャツ一枚のときでもショーツは身に着けています。ブラはしません。けれど、今、下着もつけていないのは、さっきまでバイブを使ってオナニーしていたからです。で、我慢できなくなってツーショットダイヤルに電話をしたんです。
電話だけのつもりだったのに、会う約束をしてしまいました。断りきれなかったのではありません。エッチな会話をしているのに彼の話し方はとても明るくて好感が持てましたし、誘い方も上手だったのでしょう。それに、オナニーのせいで身体が本物のおちんちんを欲しがってもいました。
一時間後に会う約束をしました。場所は、あたしの住んでいるところから一番近い駅の駅前。彼はそこまで車で迎えに来てくれて、そのままエッチしに行こう、と言うことになりました。彼は服装を教えてくれました。そして、あたしにはそのままの格好で来るように、と言いました。
「ええ、そんな、恥ずかしいよ。誰かに見られるよ」
「でも、きわどいミニスカートよりも裾は長いんだろう?」
「それはそうだけど」
結局、彼の言うとおりにすることにしました。しかも、さらに注文がつけられました。靴の紐を結びなおすふりをして、ときどき前かがみになれと言うのです。しかも、膝を曲げずに。そんなことをしたら、ノーパンのお尻が後ろから丸見えになってしまいます。
あたしがそう言うと、「それでいいんだよ。それがキミの合図なんだから」
あたしはなぜか断れませんでした。知っている人と出会う確率が高い最寄駅で、ノーパンで、前かがみになって、お尻を露出するなんて。お尻だけではありません。姿見の前で試しにそれをしてみると割れ目がくっきりと両足の付け根に見えるではありませんか。
こんな恥ずかしい姿を・・・・
そう思うと、恥ずかしさとは裏腹に、ドキドキしてくるのがわかりました。乳首が立って、あそこからお汁が流れ出します。
ここまでしたのに、すっぽかされてしまいました。からかわれただけだったのです。でも、あたしがそのことに気がついたのは、セックスを終えて二人でお茶を飲んでいるときでした。
え? すっぽかされたのに、どうしてセックスできたのかって?
あたしの恥ずかしい姿に欲情した通り掛かりの男が、あたしに声をかけてきたのです。「やりたいのか? だったら俺がやってやるよ」って。あたしは電話のエッチ会話の続きだと思ったので、「やりたいんです。やってください」と答えました。
そうして二人でラブホテルへ。激しいセックスのあと、会話がかみ合わないので、やっとあたしは電話の彼とその男が別人だと気がついたのでした。
まあ、いいか。目的は達成したわけだし。
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