主人との出会い(1)  by もも その15





 

 ももです……。今回は主人との事を書こうと思います。

 私がK君と別れて一年と少したった頃、寮で同じ部屋の一つ上の先輩が学校を卒業し車の免許を取得しました。他県から来られてた方なんですが、保育士にならず会社に残る事を選択!!

 ある日先輩が「もも今日用事ある?」
「別にないですけど……」
「同じ職場の人に車を運転させてもらう約束したんやけど、二人だとデートになるから一緒に行って、お願い」と手を合わされました。
 先輩に連れられ会社の駐車場へ……。《あっこの人見たことある…》そう思いました。
 当たり前ですよね。同じ会社に勤めてるんですから。(笑)

 車を貸した男性はOさん……。ちょっと見た目は怖い感じ。背はそんなに高くないけど、色白で、今の言い方だと、結構イケメンですね。
 ナンパなチャラチャラした感じはなく、かっこいいという感じでもない、男っぽいと言うか男らしい感じの人……。
 う〜ん……、俺についてこいって感じの人ですね。

 私は中々K君から脱する事が出来なくて、その頃にK君が好きだた私の長い髪をバッサリ。 やっと……、やっと……、思いきって背中半分くらいあったんですけど……、カリアゲて超ボーイッシュ(笑)

 職場の違うOさんに「○○ももです。先輩の付き添いにきました」と自己紹介をして。Oさんの車に乗り込み先輩は運転席、Oさんは助手席、私は後ろに。
 私は小説でも読もうと思ってたんやけど……、余りに車の中が静かなんで、居心地悪くて……、必死に運転する先輩をよそにOさんと話を……。

「Oさんて何才ですか」
「なんぼに見える? 当ててみ!!」
「えーっ、う〜ん28くらい?」
「アホかっ!! 25じゃっ!!」と後ろを振り向き軽く頭をポコン……。
「うわっ……、先輩。もも、このおじさんに殴られたぁ」なんて笑いながら……。
 この日から私はOさんを“おじさん”と呼ぶようになりました。
 学校の話、職場の上司の話、仕事の愚痴……、色々聞いてもらいました。
 運転しながら頷く先輩……。

 恋の話に……、私は言葉につまりました……。
 そんな私を気遣って先輩が「ももは、ちょっと辛い思いしたから……。(この先輩にだけは私の大失恋の話を聞いてもらいましたから……)人に聞くなら先にOさんの話やわ」と言ってくれました。
「俺の話かぁ……。そんな話せる事ないしなぁ……」と悩むOさん……。

「あっ!! 私時代劇好きやから松方弘樹とか松平健とか好きやわ……。それから少年隊のかっちゃんも!!」
「全然統一感ないやん。なんじゃそりゃ……」と笑われてしまいましたが……。

 二時間くらいのドライブ。途中でお茶しに喫茶店に入ったのですが駐車場が少し狭く、なんとか入れたものの先輩が出せなくてOさんが運転……。
 男性の煙草をくわえたまま、煙たそうに何かをする仕草ってたまりませんね……。
 ちょっとキュンとしちゃいましました(笑)
 その日を境に会社でも「おはようございますっ!! お・じ・さ・ん」とかって少し話をするように……。
 怖い感じのOさんと言葉を交す私に友達は驚いて、「もも、なんでOさんと知り合い?」って聞いてきて……。
 職場の違う人と話すのはそうない事ですからね。
「この間先輩と一緒にドライブしたから…」と答えると、「そうなん、でもな、もも、あの人、結婚して子供もいてるって聞いたで……」
「別におっちゃんに興味ないから関係ないわ……、でもまぁ忠告ありがとう(笑)」そんな事を友達と話てました。

 五つも上やし、全然恋愛対象としては、ちょっと……。
 私の中では何かあれば相談出来るお兄さんみたいな感じ……。

 でも、ある日……。
 私は友達と社員食堂で食事をしてました。何気なく入り口に目が……。
 すると、Oさんが入ってきて…tね、その姿が凄く眩しくて、ドッキン!!
 えっ? 今の何……?
 私、今、ドキドキしてる……。
 うそ……、何で……、何で……。
 家庭のある人はもう嫌……。
 完璧に恋愛対象から除外してたはずやのに……、そやのに何でこんな風にドキドキするん?

 仕事を終え寮に戻ってからも不思議な感覚に頭がボーっとしてました。
 私は先輩に食堂での事を正直に話をしました。
「もも、もう一回Oさんに会ってみる?」
「えっ……、でも……、Oさん奧さんいてるんですよね」
「Oさん独身やで。何それ……、そんな噂あるん?(笑)」
 先輩は爆笑しながら私に言います。
「もも……、人を好きになるん怖がったらあかんのちゃう? 髪まで切ってんし、産まれ変わってみたらどない」
 そう言われてしまいました。

 納得……。
 でも……、
 グズグズ、ウジウジ……。
 そんな私を見て、先輩が、「電話したら……?」

 しばらく考えて、「ちょっと行って来ます」
 社員名簿で番号を調べ……。

 深呼吸……。
 公衆電話の受話器をとり、番号を押しました。
 なんか、久しぶりの感覚…てん。

 家族の方が(お母さん)出て、それからかわってもらって。
「もしもし……。あの、わかりますか……」
「えっ? あっ、おう、ももちゃんやろ……」
「あの……、明日仕事終わったら少し時間もらえますか? あの……、今度は、あの……、Oさんと、あの、ドライブしたいです」
 なんかもぉ、グダグダ……。
「明日かぁ。会議があるから、あさってでもかまんか?」
「えっ、はいっ……。あさって、仕事終わったら駐車場で待ってます」そう言って切りました。

 待つ一日は、長いですね……。
 待ちどおしいって…ほんと…辛いですよね(笑)
 当日、朝から忙しさに身を置いて、時間よ早く過ぎろって思いながら……。

 仕事を終、…駐車場のOさんの車の所で待ってました。少し遅れて……、Oさんが……。
 車に乗り込み、「無理言ってごめんなさい」
「別にかまんよ。俺も会いたかったし」
 えっ……?。

「飯食いに行って、夜桜でも見に行こか」
 夕食時でしたから……ファミレスに入って……、先輩の事や学校の事とかを話ながら食事をして……。
 ライトアップされた夜桜を……。
 車のまま回れる所ですから、そのまま……。
 ドキドキやったけど、綺麗やったなぁ……、あの時の桜。

 それから、送ってくれたんですが、寮の近くに神社があって、そこの駐車場に車を停めて、少しお喋りを。
「言うとかんとあかんことあるんや」
 Oさんは私に自分の事を話し出しました……。
(メールによる体験告白より 2009年3月6日 )

 
 またまた時代を感じさせる投稿ですね。「社員名簿で電話番号を調べて」なんて。今じゃ、そういうわけにいきませんよね。やっぱり、少子化をふせぐには、こんな風に簡単に社員名簿が閲覧できて、社員の恋愛を後押ししなくちゃいけないのではないでしょうか? な〜んて馬鹿なコメントはともかく、先輩の後押しがあったとはいえ、ももさんの行動力って、情熱的だし、すごい。しかも今回は、タイトルからハッピーエンドなのがわかりますから、安心して読めます。ところで、28歳の彼氏候補をつかまえて、「おじさん」はあんまりでない?

 
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