少 年

第2章 春合宿 その3

 春合宿がやってきた。6時集合。6時17分の特急列車に乗る。わたしたち新3年生が6人。後輩たち新2年生が8人。合計14名。この合宿の成果でスターティングメンバーが決められる。これに入れるのは8人の新2年生のうち3名だ。だから、合宿に望む下級生達はみんな目の輝きが違っていた。たったひとり、響木明日香を除いては。
 明日香だけが知っている。この合宿で何が行われるのかを。男もセックスも好きな明日香だけれど、男遊びと輪姦はまるで違う。だが、逃げ出すことも、同級生達にこれからどんなひどいことが行われようとしているのか教えることもできない。デジカメに納められた卑猥な映像をネタにされれば、言われたとおりにするしかない。
 昨夜は眠れなかったのだろう。
 明日香一人、目を腫らせ、陰鬱な表情をしていた。
 一方、わたしたち上級生は・・・
 去年の春合宿を含めて1年間、処女喪失、輪姦、売春、妊娠、中絶などあらゆることを経験し、同時に男たちから女の悦びを身体の奥深くまで叩きこまれたわたしたち上級生は、再び自分の身体をかけぬけるであろう性の饗宴に、身悶えせんばかりに期待していた。そして今回は、下級生達が陵辱されるというオカズまでついているのだ。罪悪感を感じないわけではなかったが、その時が近づくにつれ膨らむ期待感に、ほとんど消えかかっていた。
 けれど、ひとつだけ気がかりがあった。マッキーのことである。この合宿は新2年生をわたしたちの世界に引っ張り込むためのものだけれど、だからといって上級生は「見ているだけ」では決してない。わたしたちもOGやその彼氏たちの餌食になるのだ。彼の目の前で。マッキーはマッキーで下級生達を好きに出来るのだけど、それとこれとは別であることは、先輩達から聞かされていた。去年の合宿の後、先輩達とそのボーイフレンドはほとんどこの合宿が原因で消滅している。OG達にしても、同じ子とを繰り返している人もいる。でも、さすがに本命の彼はまずいと考えるのだろう。彼氏とは違う「遊び仲間」を連れてきてただ乱れることを楽しむようになっていた。
 わたしはどうなんだろう。きっとマッキーとはだめになるだろう。あるいはただの浮気なら謝れば許してくれるかもしれない。でも、目の前で多くの男たちと戯れるわたしを見て彼が平気でいられるわけがない。そして、異様な雰囲気に呑み込まれ、流されるままにわたしの目の前で違う女の子とセックスしたことを、きっと後になって後悔するだろう。興味の赴くまま直美や淳平とやりまくっていたあの頃のマッキーとは違う。彼のとってのわたしは特別なのだ。もちろん、わたしにとっての彼も特別だけれど、でも、わたしにはそれ以前にクラブ員としての拘束があった。どうしようもない。
 普通列車にのりかえて合計4時間。目的地に着いた。

 2本の線路に挟まれたホームに下りる。風が冷たい。階段を上って渡り廊下で線路を渡り、再び階段を降りて駅舎に至る。
 駅舎を出ると、バスがかろうじて転回出来る程度の小さな駅前広場が目の前にあった。日用品から食料品、クスリに文房具までそろえた小さなスーパーマーケットがあるきりだ。
 そこから伸びる道はすぐに上り坂になっていて、小さな峠の先は見えない。多分、道はアップダウンを繰り返しているのだ。両側には田畑が広がり、視線を遠くへやれば山稜がくっきりと空と地を分けていた。晴天だ。
 去年来ているわたしたちは、この駅が集落から離れたところにあるのを知っているが、あまりもの田舎の風景に下級生は愕然となったろう。しかし、確かにスポーツ合宿、特にロードワークには良さそうだった。
 駅前には宿の軽トラックが迎えに来ている。わたしたちは集合の時からジャージを着ている。トラックで荷物だけを運んでもらい、わたしたちは走って宿に向かうのだ。実はこの駅は滞在先の最寄駅ではない。
 わたしたちは荷物を積んだトラックを見送った。
 幸絵が全員に地図をわたし、駅から宿まで約20キロあることを告げた。マラソンよりもゆっくり走って1時間半の距離だと説明する。「マラソンよりゆっくり」と言ったって、それはあくまで一流ランナーの話。制限時間ギリギリで走る市民ランナーのレベルとはまるで違う。まあ、距離は半分だけど。
 「今、10時半だから、12時につくのが目標ね!」
 わたしたちは運動部だからそこそこ走り込んではいるけれど、アップダウンのあるはじめてのルートを地図を確認しながら1時間半で走るなんてのは不可能である。・・・ということを去年身を持って知った。

 新2年生が出発した10分後にわたしたちは出発した。わたしたちはペースを守りながら走った。どうせ12時には着けっこないのだ。
 最初は一団となっていた新2年生たちは、すぐにバラバラになる。明るい太陽の下、トレーニングウエアを着て走れば、夜の繁華街を一人でほっつき歩くような心細さなど微塵も感じないし、ひとり一枚の地図を渡されたということは、それぞれ自分のペースで走りなさいということだとすぐに悟ることも出来たはずだ。
 しかし、それが罠なのである。
 一定のペースを守りながら、仲間に遅れまいと、息を合わせて走ったほうが結局楽だ。自分のペースで自由に走るということは、自らペースを崩してし合うことに他ならない。なぜなら、そこに「12時」というプレッシャーがあり、かつマラソンのように「棄権」もない。とにかく宿まで辿りつかなくちゃならない。
 遠くなる先行走者の背中。先に行ったはずの仲間が道端に座りこんでいる姿。息の切れる上り坂に、足に負担のかかる下り坂。
 10分遅れてスタートしたわたしたちは、彼女たちをひとり、またひとりと追いぬいていく。ガタガタになった新2年生が全員宿に到着したのは、午後2時を回ってしまっていた。

 宿は木造2階建て。古い建物ではないが、あえて古くささを強調したインテリア。田舎ののどかさが染みついたような建物だ。
 部屋は全て2階にある。1階はお風呂や食堂や厨房など。わたしたちは食事を目の前にしながらも、ちっとも食が進まなかった。上級生にしてもこのロードワークはきついのだ。
 しかし、新2年生にとっては、もっときつい。彼女達のほとんどは朝食を食べていないはずだった。列車の中でお菓子やジュースを食べた程度だ。けれど、それもほとんど吐いている。昼食は全く手につかない。
 この状態で午後の練習をこなす。食卓ではぐったりしていた彼女たちも、さすがにこれまで1年間の練習メニューをこなしてきている。グランドに出ると、身体は自然に動き始めた。でも、これが思わぬ負担になって疲労が体内に蓄積されていること入浴してはじめて気がつく。そして、夕食。やはりそれほどは食べられない。
 中でも明日香は、この後におこる惨劇を知っているせいだろう、陰鬱な表情で箸さえ手に持とうとはしない。こころなしか肌の色がくすんでさえいる。
 夕食からはOGたちが加わっている。新2年生は「合宿の応援と紅白戦の為」とOGたちがやってきた理由をきかされている。
 そして、別のテーブルには男の一団。わたしたちやOGたちのボーイフレンド、またはこの日のために用意された獣たち。別のグループが宿泊しているのだと思えば不思議はないが、それにしては我々ソフトボール部の女の子たちとも会話がかわされ、なんとなく妙な感じである。
 食後はミーティングを行うからと指定の部屋に集まるように言われ、泥のように眠ってしまいたい下級生たちはうんざりした表情になった。これからが本番なのに。

 合計14人の部員がひとつの部屋に集まった。去年と違い、部屋にはお菓子やジュースを用意した。わたしたちは丸くなって座った。
 「今日はお疲れ様。ハードな合宿の、でも、まだ初日よ。これくらいでまいっていたんじゃ先が続かないわ」
 幸絵が新2年生たちに言った。
 口には出さないが、「つまらないお説教ならごめんだわ。早く自分の部屋に戻って休みたい」と、彼女たちの表情が語っている。
 「でも、よくがんばったわ。ご褒美に、楽しくやりましょう」
 この台詞を合図に、8人の男たちがどやどやと部屋に入ってきた。

 明日香はジュンペーの姿を男たちの中に認め、表情がほぐれた。お菓子やジュースが並べられているとはいえ、本来ならその日のスケジュールを終えているはずの時間帯に、狭い部屋に押し込められた新2年生たちは、何がどうというわけではないながらも、異様な雰囲気を感じ取っていた。一様に緊張した面持ちだった。なにかある、と察知していたのだ。
 その中で明日香ひとり、これから何が起こるかを知っていた。硬直せざるをえない。けれど、身体を馴染ませた人の姿を見て、一瞬緊張が緩んだのである。右手がピクリと動き、上がりかけたが、途中で止まった。明日香とジュンペーは、他の新2年生たちと同じく、今日この場ではじめてあったのでなくてはおかしいからだ。
 明日香は伏目がちに直美を見た。あの日の様子は直美のデジカメに収められている。裏切りイコール公開だ。直美は気がつかないフリをしていた。
 ジュンペーはさりげなく明日香の横に座った。それと前後して、円座の中にあったわたしたち新3年生は立ち上がり、下級生の後方にたった。そして、男の子たちが交互に新2年生の横に座った。
 「どういうこと?」
 「よくわからない」
 下級生達はそんな表情で、きょろきょろ周りを見まわし、隣を見、そして顔を伏せた。
 男の子たちが腰をおろし終えると、物音がしなくなった。ブーンという蛍光灯の雑音だけが室内に響いた。
 明日香はジュンペーに身体を寄せて持たれかかっている。「雰囲気を作ろうとしてくれていたの?」と、後で聞いたが、そうではなかった。「ジュンペーに抱かれたら楽になる。ジュンペーになら抱かれてもいい」としか考えられなかったそうだ。目の前に迫った性の狂宴という事実から逃げるためには、ジュンペーのことだけを考えるしかなかった、ということだった。

 「イヤ・・・」
 フミが小さく叫んだ。声は小さかったが、その訴える力は強かった。静けさの中に響いたそのわずかな声は、みんなの注目を集めた。
 女の子らしい曲線がなければ、美少年と呼びたくなるようなフミ。ショートカットの髪は風呂上りのためまだ完全には乾いていない。練習中は帽子の中に押しこんである前髪が今は垂れて、くっきりした二重の瞼にかかっている。
 「あ、イヤ・・・」
 さっきより小さな声。だけど、意思の強い叫び。
 左隣の男が彼女に伸ばした手はフミの左の太腿に添えられていた。ゆっくりと撫でまわすような掌の動き。右の男は彼女にピッタリと寄り添い、その胸に手を当てていた。下から持ち上げるようにして乳房を揉まれている。人差し指の付け根と親指で乳首が挟まれ、クリクリと力が込められているのがわかる。そしてそれぞれの指の先端はやわらかい脂肪に食いこんでは離れた。
 わたしは自分がそのような愛撫を受けているような錯覚に捕らわれて、濡れた。
 フミはただ身を硬くしているだけで、抵抗しようとしない。彼女に集中する視線が、全ての抵抗が無駄であることを彼女に教えていた。
 きちんと正座していたフミの、膝の先がピクピクと震えだした。感じてるんだ、とわたしは知った。
 左側の男の掌は太腿の付け根に達していた。ソロリソロリと彼女の中心部へ向かって進行していたのだった。もう片方の手が彼女の左手首をつかみ、あっという間に男の股間に引き寄せられた。
 フミはその手を反射的に振り払ったが、すぐにまた掴まれて、男の子の真中へ持って行かれる。その手をまた振りほどく。何度かそんなことが繰り返されたが、相変わらず続いている胸への快感に、とうとう抵抗するのを止めてしまった。
 「やめてください・・・」
 「やめないよ」
 「お願いです。やめてください。あたし、彼がいるんです。こんなこと、できません」
 感じているくせに、まだ理性があるんだ、とわたしは感心した。でも、時間の問題だ。だって、フミはもう感じているのだから。

 どん、がしゃんと音がして、男の子の一人が中央にあるお菓子のお皿の上にひっくり返った。マッキーだった。
 彼がアプローチしていたのは、久美だった。久美は運動部に所属しているのが不思議なほど、大人しくて控え目な女の子だ。わたしとは対象的だ。トレーニングも雑用もいつも黙々とこなしている。まじめといえばまじめ。何を考えているのかわからないといえばわからない。
 ちょっと見た感じでは、激しく抵抗するようなタイプには見えなかったのだろう。けれど、こういう子が一番、落としにくい。
 (もっとイケイケっぽい子にすればよかったのに)
 マッキーはチラリとわたしを見た。この時のわたしはどんな表情をしていたのだろう? 「お気の毒」なんてニュアンスがもしかしたら目の端に漂っていたのかもしれない。
 おそるおそる手を出していたマッキーは、これをきっかけにスイッチが入ったみたいに野獣になった。
 身を起こすとそのまま久美に突進して上から覆い被さった。
 「キャーツッ」
 久美の悲鳴が部屋中に響いた。
 仰向けに押し倒された久美と、全身でもって彼女を抑えつけるマッキー。
 久美は再び抵抗しようとした。けれど、出来なかった。
 直美と幸絵がふたりがかりで彼女の両手と両足を抑えたからだ。
 顔を近づけてキスしようとするマッキー。とっさに顔をそむける久美。でも、マッキーはそんなことは意に介さず、耳に唇を押し付け、わたしにいつもそうしているように、耳の中に舌を入れた。

 3人の新2年生が一斉に立ちあがった。ドタバタと足音を立てて逃げ出そうとする。けれど、部屋の扉を開けたそこには、OGの先輩とそのボーイフレンドたちが待ち構えていて捕まった。一人は部屋に押し戻されたが、あとの二人は戻ってこない。きっと別の部屋に連れこまれたのだろう。そこにはまだ何人かの男がいて、とっかえひっかえ犯される。

 「ふうん、彼氏がいるんだ。じゃあ、こんなことなれてるだろ?」
 男の股間に置かされたフミの手を、さらに上から押さえ付けながら男が言った。
 「あたし、バージンです・・、だから、もう・・」
 「もう、何?」
 「・・・やめてください。こんなこと、出来ません・・・」
 「やめられるわけないだろ? こんな状況で、無事で済むと思ってるの?」
 右隣の男の手によって、服は胸の上まで捲り上げられており、ブラもずらされて乳首がはみ出している。綺麗なピンク色をしたそれは、しばらく弄ばれてから、男の口に含まれた。
 「あん、もお・・・」
 「ほら、感じてるくせに。俺のも感じさせて」
 左の男は、ズボンのファスナーを下ろし、中から自分のものを引っ張り出した。
 「さあ、握って」
 フミは抵抗しなかった。それにあっさりと手を添えたのだ。
 「じゃあ、上下に、そう・・・」
 もう言いなりだ。右にいた男は彼女の後ろから抱きかかえるようにして両手で胸をわしづかみにしている。ぎゅうぎゅうと男の手が彼女の胸に食い込むたびに、フミの上半身は前に傾斜してお尻を突き出すような格好になった。
 「あ、ああ、うそ、こんなの・・・」
 息を漏らしながら、フミは手を言われた通りに動かしていた。

 一切の抵抗をしなかった明日香は、既にジュンペーと最終局面に移りつつあった。
 さすがに3人の経験があるだけのことはある。年上の男から色々なことを教わったのだろう。ジュンペーの上にのっかって、彼の腰の下に手を回して、それを持ち上げるのと腰を振るのとをタイミングを合わせながら、ヒイヒイ声を張り上げている。
 去年と違って「晒し者」になる女の子はいなかった。マッキーが久美を組み伏せ、逃げ出そうとした3人が待ち伏せされた先輩達に取り押さえられた時点で、ほぼ観念したに違いない。
 そしてわたしは、じゅるじゅるになったパンティーの中身をもてあましつつあった。

 そのわたしのジャージの両側に手をかけて、誰かが一気に引き降ろした。
 突然のことにわたしは声をあげてしまう。
 「なに騒いでるんだよ」
 後ろからかかった声。憶えている。去年、わたしを犯した男の一人、OGの一人のセックスフレンドだと言っていた佐々木だ。
 彼は後ろから乱暴に、わたしの両足の間に手を差しこんだ。
 「もうぐちょぐちょじゃないか」
 「だって・・・・」
 相手の正体が分かって途端に猫なで声になるわたし。手を後ろに回すと、彼の腰に手が触れた。既に彼は脱いでいた。そのまままさぐって彼の棒を掴む。
 マッキーがチラチラとこっちを見てるのはわかったけれど、彼だってもう挿入して腰を振っている。わたしはもう我慢が出来ない。
 佐々木の指がわたしの穴の中に入って来る。1本、2本、3本。
 「ずいぶんたくさんの男を食べてきたんだろ」
 耳元で囁かれながら穴の中の指がぐりぐりと動く。前から回された手がクリトリスを刺激する。腰の力が抜け、頭の中が真っ白になり、もうどうでもよくなった。
 「はやく入れて下さい」
 「だめだめ、もっと感じさせてくれないと」
 「じゃあ、舐めさせて」
 「いいよ」
 わたしは振返って佐々木の前にひざまずいた。
 「あ!」
 背中でマッキーの声がした。振り向くと彼が恐い顔で睨んでいる。直美とジュンペーと4人でセックスしたときも、ジュンペーにフェラチオすることをマッキーはとてもいやがった。「自分の彼女がやられるのはまだしも我慢が出来る。自分だって、別の女とやってるんだから仕方ない。けれど、やられるんじゃなくて、やるのは耐えられない」と、マッキーはわたしに告白した。
 それ以来わたしはジュンペーにフェラをしていない。ただし、マッキーがいるときは、だけど。ジュンペーはわたしのフェラが好きで、時々せがむので、直美にもマッキーにも内緒で何度かエッチしたことがある。
 わたしが他の男のを咥えているのをマッキーが見るのは、もうどれくらいぶりになるだろう。彼に耐えられるだろうか。
 ふとそんなことを考えたけれど、「ほら、どうしたの?」と、目の前に佐々木のものを突き出されて、わたしはまた頭の中が真っ白になった。
 佐々木は去年より更にマゾヒスティックになっていた。わたしがえずくのも構わずがんがん喉の奥を突いてくる。まじで吐きそうになったのでいったん口から離し、彼のものを手を添えて、ペニスの裏側に舌を這わせた。
 「ほら、後ろから誰か来たよ。お尻、出せよ」
 そう言われて振り返ると、ジュンペーだった。
 お尻を突き出すと、間をおかずに挿入して来た。
 「うそ・・・、さっき、イッたんでしょ?」
 「連続5回は大丈夫だよ」
 「すごくなったのね」
 4人で乱れまくっていたときも、ジュンペーはインターバルが長かった。その間、わたしと直美の二人を慰めてくれていたのはマッキーだった。でも、ジュンペーもいつのまにか逞しくなったのだ。
 彼のペニスがわたしの中で暴れまわる。ぐちゅぐちゅと粘液が音を立てる。「しまる、しまる」と、嬉しそうにジュンペーが言う。
 わたしの興奮中枢がぐんぐん刺激される。

 マッキーは?
 マッキーはどうしてる?
 目の隅で捕らえたマッキーは、下級生の和子を新たにターゲットにしようとしていた。わたしのことなどどうでもいいみたい。
 ぐったりとうつぶせになってしおれている和子の腰に手を添えて、お尻を持ち上げようとしている。彼女の股間には白濁した液体がびっしりとこびりついていた。こちらから和子の表情は見えないが、もはや放心状態だろう。マッキーに腰を持ち上げられてもナンの反応もしない。マッキーも遠慮なくいきなり挿入だ。その瞬間だけ、上半身がビクッと動いたが、それっきりだった。

 3人の男に挿入され、快感に酔いしれ、腰がフラフラになった。一人目がジュンペーで、二人目が佐々木、そして三人目が幸絵の彼だった。
 「やりたかったんでしょ、貸してあげる」
 幸絵は壁にもたれて座りこんでいた。だらしなく両足を開いて床に足を伸ばしていた。彼女の穴からドロドロと精液が流れ出していた。
 「彼、今日はこれが最後になりそうだから、わたしとやりたいって言ったんだけど、もう動けない・・」
 「何人としたの?」
 「7人。・・・気持ちよすぎて、腰振りまくっちゃった」
 こうして念願の幸絵の彼を受け入れた。彼は抜ける寸前まで腰を引き、そして奥深くまで突き上げて来るので、いっかいの往復がとてつもなく長いものに感じられた。マッキーのよりもちょっとばかりモノが長いのだ。そうしている間にもキスの雨を間断なく降らせてくれる。
 何度も気が遠くなりそうになった。
 わたしたち上級生は自分の判断で適当に切り上げていいことになっている。くたくたになったわたしは、部屋を出ようとした。下級生たちは相変わらず弄ばれていたけれど、目からは精気が失せていた。そろそろ終わりだろう。誰も今年は壊れなかった。(この先は知らないけれど)
 床に寝そべってはあはあ言っていたわたしは、いつのまにか息が整っていることに気がついた。もう一度お風呂に入って寝よう。そう思って立ちあがったら、近づいて来たマッキーに抱きしめられた。
 「ゴメン。今日は、もう・・・」
 そう言うと、マッキーは意外にもあっさりとわたしを解放してくれた。なんとなく後ろめたくて、わたしは彼の顔を見られなかった。黙って部屋を出た。
 

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