その夜、Rさんは語ってくれた。 友人の薬剤師が悪戯半分でクスリを調合し、思わぬ効きめがあった。クスリを飲んでセックスを楽しむサークルを作った。友人の勤める病院で薬の在庫があわず、これ以上続けるには独自でクスリを入手しなくてはならなくなった。 クスリの魔力に魅入られたRさん達はルートを確保した。けれど、大きな経費を必要とするようになった。 男性会員から会費をとるようになった。セックスさえあれば何もいらない状態になってしまった女性会員には、男性を斡旋し、手数料をとった。売春とは知らずに女性会員は次々と男と寝る。彼女たちにはどんどんクスリを与え続けた。 体調に異変を起す会員が続発。あたしがRさんと知り合ったのはこの頃だ。 セーブしつつクスリを楽しんでいたRさんやその友人まで体調がおかしくなってきた。症状の思い会員はもはや病院送りしか手が残されていない。全ての痕跡を消し、サークルは解散することにした。 「残ったクスリが手元に350錠ほどあるんだ。明日、山に登って、どこか人目につきそうもない場所に処分してこようと思ってる」 あたしはクスリをRさんから奪い、手に取った。10錠ほどもあっただろうか。一気に口の中に入れて噛み砕き、Rさんにキスをして、口の中で砕かれたカプセルとその中身を彼の口に押し込んだ。 「ん、むぐ……」 彼はそれを飲み込んだ。 「お願い。捨てないで。あるだけ、楽しもうよ。お金ならあたしが稼いであげる。男と寝ればいいんでしょ?」 「な、何言ってるんだよ」 「そのかわり、残りのクスリ、全部ちょうだい。二人で楽しみましょう」 「残りのクスリが全部なくなる頃には、破滅してるよ。やばいって」 「破滅していい。身も心もセックスに狂って破滅するなら、それで、いい」 「……こ、こつぶ……」 Rさんは、キミをこんなことに巻き込んだ責任は僕にある、と言った。キミが地獄に落ちるのなら、僕も付き合うよ。 Rさんはさらにクスリを10錠ほどつかんで、飲み込もうとした。けれど、あたしがその手を払った。 「ダメ。これは全部、あたしのもの……」 クスリが効いてきて、あたしは淫乱になってゆく。彼のものを咥えながら、床に散らばったカプセルを手でさぐりあて、ひとつ、またひとつと口にする。 |
もどろっか