昨日抱き合った部屋で  by 蓮場璃玖 その6





 

 連続投稿です(汗)。でも、どこかに書き記しておきたいという気持ちがいっぱいです。

 初めて抱き合ったその晩、カラオケではなぜか絶好調。喉がかすれるほどに歌っておひらき。
 カラオケボックスが実家の近くだったので歩いて帰ろうとしたら、いいよ、送るよーってBくんの友達。
 その彼女…私の友達ですが、すっごく可愛くて、正直彼女に会うだけで私は癒されます(笑)
 そんなわけで、4人はそのまま車に乗り込んで送ってもらいました。

 翌日は札幌に戻る日。夕方ごろの特急に乗ろうと決めたものの、なんだか気持ちがすっきりしない。Bくんに、会いたい…
 メールをして、時間、大丈夫?って。
 午前中はバイトという事で、昼から会う事に。快く迎えに来てくれて、そのままBくんの家へ。

 昨日抱き合った部屋で、少し話をした。
「璃玖ちゃん、どうしたの?」
 胸がドキドキして、苦しくなってくる。
「ぎゅーって、してもらいたいなぁって…」
 部屋の外で、小さなポメラニアンの鳴き声が聞える。Bくんは私の隣に腰を下ろして、そっと抱きしめてきた。

「もっと…」
「強く?」
「ん…」
 強く強く、抱きしめて捉まえててほしくて。
「も…」
「璃玖ちゃん?」
「いじわる」
 私からまた、顔を寄せた。

 昨日と同じように、何度もキス。早々に服を脱いで、何度も。
 昨夜首筋に付けた痕を、さらに舐め濃い痕を重ねた。
「ねぇ、今日はチョコのやつじゃないのでマッサージしてあげよっか」
「えっ…持ってきてるの?」
「うん、ボディマッサージにも使えるからね…」
 もちろんそれ以外にも。

 取り出した、ちょっぴりお洒落なボトル。
 透明な、とろりとした液。深い林檎の香り。
 女性の身体の事を一番に考えて作られたというそれは、優しくて愛おしい香り。
 てのひらに溢れるほど落としてから、両手に馴染ませてそのままBくんを包んだ。
「つっ…ったー、それ、すごい…」
 大きな目を更に大きく見開いて、私の手の動きを見つめるBくん。

 ああ、愛しいな…
 ゆっくり、弄ぶように。
 弱いところで指に力をこめると、何度も身体がびくんと反応して、その度にBくんを私を抱きしめた。

「はぁ、璃玖ちゃん…これちょっと、不公平だわ」
 甘く切ない声。
「何が?」
「俺ばっかり、してもらって…」
 私に包まれたままで、身体を起こしたBくんはいそいそと自らのてのひらに、林檎のそれを垂らして私の下半身に当てた。
「んっ…あ、や」
 お互い向き合う形で、お互いの一番敏感なところをマッサージしあう。
 何度も何度も、優しく激しく。

「Bくん…ん、あ、はぁ…」
 その内に、私の手の動きが遅くなり、そのままストップ。Bくんの手の動きが気持ちよくて、頭がくらくらしてくる。
「そろそろ、ほしいのかな?」
「ん…Bくん、ほしい…」
「ゴムしてくれる?」
「ん…」
 ローションでしっとりした手をティッシュで拭いてから、昨日と同じように緑色のゴムを付けた。

 昨日も思ったけど、Bくんのって結構大きいんじゃないだろうか…。ゴムがきつそう。
「でき、た。コレで大丈夫」
「うん、大丈夫大丈夫」
 くるっと、腕を引かれたかと思うといつの間にか私は組み敷かれていた。
「Bくん…ゆっくり、ね」

 ずず、と入ってくる。いっぱいになる。
 愛しい。
 すごく。

 その日も何度も体制を変えて、座位とかも。
 座位になると、布団の足元に立てかけられていた姿見の鏡に自分とBくんの背中が見えた。
 あ、私、女の顔をしてる…
「Bく、んっ、や…ぁ」
 身体をぴたりと密着させて、擦り合わせて、何度も何度も声を上げる。

 身体震える。
 Bくんが好き、すごく好き。
 だけど、好きと口にしてしまうと全てが壊れてしまうような気がして、好きという言葉は名前に変わった。
 だから何度も、Bくんの名前を呼んだ。

「Bくん! あぁっ、いい、よ。Bくん先に、いっていいよ」
 深く突かれると、まだ痛い。だから足を上げた状態で何度も何度も。
 動きが早くなると、声が我慢できないくらいに気持ちよくなってくる。
 名前を何度も呼んで、Bくんは果てた。
 部屋の、ドアの向こうで小さなポメラニアンの、フローリングの床を歩くかしゃかしゃと言う音がなんだかおかしくて。
 Bくんの頭を抱きながら小さく笑った。

 気が付けばまた暗く。
 お腹も空いていたので二人でモスバーガーに行って夕ご飯。
 駅まで送ってもらうと、帰り際にBくんが私の髪に触れた。
「じゃ…」
 小さく言って、顔を寄せてくる。
 お別れのキス。

 また、ね。
 そんな意味の篭ったキス。

 何度も、舌を絡めて唇を舐めて。
 ゆっくり離れると、穏やかな笑顔。
「今日、ありがとね」
「うん、気をつけてね」
 喉の奥のほうで、大好きだよという言葉を飲み込んだ。
「じゃ…また」
「うん、じゃ」

 帰りの特急の中で、Bくんを思うと胸が痛んだ。会いたい。
 もっとキスをしたい。もっともっと、触れ合っていたい。
 これは不毛な関係ではないと、気付くのは数日経ってからの事でした。

 長々失礼しました。あの日のドキドキを思い出します。
(ロマンス&ラブトーク掲示板より 2006/ 08/27)

 
 「お互い向き合う形で、お互いの一番敏感なところをマッサージしあう」って、これ、いいなあ。もう〜、このやろ〜って感じです。璃玖さんってかなり上手なんじゃないかな〜って思っちゃいます。ところで、姿見に映った自分の「女の顔」を自分で見て、どうでしたか? 浪漫は女の人が一番女でいるときの顔、大好きです。

 
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