Kくんとの……  by もも その7





 

 投稿されてる方への浪漫さんのコメントユニークで好きなんです。確か蓮芭さんもそんな事を書いてらっしゃいましたね!!
 私の投稿にどんなコメントが……。ドキドキしました。嬉しかったです。ありがとうございます。

 今回はK君との初めてキスした時の事を……。
 今の若い方みたいにすぐキス……、すぐエッチ……、とはなかなかいかなかったあの頃……。私だけかな……、そう思うのは(笑)

 高校二年になった私は選択科目で地理と日本史を……。同じ地理を選択してたK君と机を並べる事に……。
 K君はサッカー部で中心選手、生徒会の役員にもなってて、バンド活動もやっちゃうような、目立った存在……。

 中学の時に付き合ってた人がサッカーしてたから自然とサッカー部に目がいってた。中学の彼氏は別の高校に。自然消滅しちゃったから……。
 K君と隣の席になって話をするようになって、飾らない彼に少しづつ惹かれて、気がつけば片想い。

 Kくん、彼女がいたんです。同級生で背がスラリと高く上品な……。K君とは中学別やけどその子とは同じ中学だから、私、よくしってます。
 ところが夏を迎える頃、別れたと噂が流れたんです。

 これはチャンス!!
 うちの高校は名簿を毎年発行してましたから、電話番号や住所まで(今は個人情報となるのでないそうですが、おおらかな時代でしたね)
 Kくんの電話番号を調べて……。
 理由はちゃんとありました!!
「あの……、〇〇さんのお宅でしょうか……。◇◇と申しますがKくんお願いします」
 この時に電話に出たのがお母さん。
 電話の向こうで「K…女の子からやで…」と……。

「もしもし、誰? ああ◇さんやん、どなしたん?」
「〇〇君もしかしてこの間から私のノート持ったまま?」
「あっ、ゴメン……。ちょっと写すだけのつもりが……今度の授業の時でええかな?」
「うん。よかった……。私どこに忘れたんやろって思っててん、持っててくれてよかったわ」
 ほんの数分の会話……。
 これがきっかけで私から電話をするようになって……。
 まだ苗字で呼びあってた頃……。

 電話は夏休みの頃にはK君から電話がかかる事も……。
 確か私がかけて話をしてるとき、「◇◇さん彼氏は?」
「ん? 彼氏? 募集中やで!」
 急に不機嫌になる彼。
「何を怒ったん? 私、何かへんな事言った?」
 すると彼は、きつい口調で、「お前にとって俺は彼氏じゃなかったんか? 付き合ってるん違うかったんか」

「ちょっとまってよ……。そんな……、付き合うって、〇〇君そんなこと一言も言わんかったやん」
「言うたらええんやろ!! もも! 俺と付き合ってくれ!!」

 突然の事で、びっくり……。
「返事は?」
「私でええの? 私、◎さん(前の彼女)みたいにスタイルもよくないし……、綺麗でもないし、可愛くもない……。いいの?」
「あのなぁ、一回しか言わんからな!! ……ももはかわいい……、見た目も性格っていうか気持も……。そやから好きになったんや」
「ありがとう…」
 凄く嬉しかった……。

 母に怒られながら長電話……。翌日朝から渡したい物があるからと呼び出されて、近くの公園へ……。何だか恥ずかしい……。
 彼は私に一冊の大学ノートを差し出した……。
 見た目は普通のノート……、でも、中は……。
 Kくんと私の名前の入った相合い傘が全部のページに書かれてた。
 彼曰く、私の事を考えてたら一晩中書いてた、との事。
「ありがとう……。大事にするから」
 彼はクラブがあるので少し話をして……帰りました。

 もらったノート……。もったいないし、だからK君との事を日記みたいにして書き込むようにしたんです。
 夏休みが終ろうかとする頃……、K君から電話があり(ラブラブでしたから電話は毎日してた)、「明日クラブが休みやから遊びにくるか?」
 私は迷ったけど……、「うん、そしたら行く」
「おっ! この間のノート持ってこいよ! ちょっと書き足したい事あるから」
「えっ? 嫌や……、私使ってるもん……」
「あかん!! お前が使っててもちゃんと持ってこい!! 返事は?」
「……」
「ももさぁん、お願い持ってきてぇ〜」
「あははは。もう……、しゃないなぁ」
 時間と待ち合わせ場所を決めて電話を切りました。途端に緊張……。
 ため息を……。
 ノートには読まれたくない事も書き込んでたので……。

 翌日、彼の家へ。
 お母さんに挨拶を……。「◇◇ももです。初めまして……」
「いらっしゃ……、あれ、K……、友達やっていうからてっきり男がくるんやと思ってたら、まぁ…かわいい女の子。……彼女? なぁ彼女? 最近電話かかる子やんなぁ」と、私前で。
「このおばはん、いつもこの調子やから」って笑ってた。

 彼は中学の時にお父さんを病気で亡くされたみたいです。他に家族は、お姉さんが一人。他県の看護学校を出てそのまま就職したようです。だから彼とお母さんの二人で暮らしてました。
 彼の部屋へ……。クーラー効いてて涼しい部屋。
 手を差し出して「ノート」って……。
 渋々渡すと、中をパラパラ……。フッと照れ笑いする彼……。私はドキドキしながら……。
「もも……、おいで……」
 私は机に向かう感じで椅子に座ってたから……。ベッドに座る彼が手招き。躊躇してたら、彼がこっちにきて、私の手を引っ張り立たせました。

 ぎゅっ…て……、抱きしめられて……。

「キスしたい?」と聞かれ、下を向いたまま頷く私……。
 実はノートには、K君とキスがしたいと書いてあったんです……。
 少し期待はあったものの……。心臓が飛び出しそうなくらい……、ドキドキ……。
 多分……、震えてた……。
 そしたらオデコにチュッ……。
 えっ……、と思って顔をあげると彼の優しい目。自然に唇が重なりました……。

 触れるだけの、優しいキス……。
 彼178、私155。
 体重じゃなく身長です!!
 高さ的に丁度いいでしょ(笑)

 抱きしめられて……。
 彼が照れながら「もも……、大好きやで……。大事にするからな……。俺だけにしとけよ」そう言って、また優しいキス……。
 私は立っていられなくて、その場に座りこんでしまいました……。

 その日は何度も、何度も、唇を重ねました……。
 一年くらいそれ以上の事はなく……。キスはさすがにディープになっていきましたけどね(笑)
 今思えば……、すごい葛藤があったと思いますから……、K君が私をどれだけ大切にしてくれてたか、身にしみますね……。

 あっ……、彼の書き足した言葉は……、最後のページに……。
「ももと結婚するぞぉ」でした(笑)
 エッチじゃなくてごめんなさい……。昔々のうぶな時代のお話でした。
(メールによる体験告白より 2009年2月9日 )

 
 当方のコメントが好きだとか……。ありがとうございます。さて……。なんとなく電話をしあう間柄……、そして、彼からちゃんと、告白がきけて、良かったですね。ところで、「彼178、私155。体重じゃなく身長です!!」って、そんなのわかるわい(笑)。逆に、これが体重だったら、注釈は必ず必要だな……。それにしても、ホント、ももさんの投稿は懐かしい。電話番号も住所もなにもかも掲載された名簿に、親に叱られながらの長電話。すぐキス、すぐエッチなんてのは、珍しかったあの時代……。それどころか、キスした相手とエッチに至らずに別れてしまうなんてのも、珍しくなかったなあ。でも不思議なことに、浪漫は初体験だけは、キスしたその日だったんですよね。相手の女の子も初体験で……。しかも僕と彼女は付き合ってたりはしなかったという。なんか、とても今風です。でもまあ、気持ちはとっくに通じ合っていたんですけどね。

 
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