示談交渉  by まる





 











 友人のRさんから電話が来た。
 いつものように飲み会の誘いかと思ったら、「まるちゃん、先週交通事故にあっちゃって、相談にのってくれない?」
 Rさんは、以前住んでいたマンションのお隣さんで、浅草のデパートに勤める気の良いオバサン。

 早速会って、事情を聞いた。駅前の交差点で、青信号の横断歩道を歩いていたら、左折してきた車にぶつけられたとのこと。

・加害者は成城に住む35才の奥さんSさん。
・車は赤のベンツ。
・過失を全面的に認めている。
・警察には届け、事故扱いは済んでいる。
・示談で済ませ、補償がしたい。
・ご主人には内緒にして欲しい。
・事故後、病院に行き検査を受け、ムチウチで全治3か月。

 3日後、Rさんからの委任状を持参し、加害者のSさんに会い、交渉することにした。成城学園の喫茶店でSさんに会った。
 小柄で美人、清楚で見るからに知的で、えくぼが可愛かった。黒木瞳みたいな女性だ。

 とはいえ、交渉相手だ。
「現行の道路交通法上、貴方のしたことは弁解の余地がありません」
「はい」
「青信号の横断歩道を渡っていたRさんに過失は全くありません」
「はい」
「つまり、100対0ということになります」
「覚悟してます」
「民事提訴した場合、貴方は100%負けますがどうしますか?」
「示談でお願いしたいのですが」
「提訴した場合、判決次第ですが、後遺症補償を含め、慰謝料は100万円、弁護士を立てる必要がありますので最低で50万円。敗訴は確実ですから、訴訟費用の負担を考慮すると、200万円位かかりますね」
「そうですか」
「あまり、不服な感じには思えませんが」
「お金で済むなら受けます、早く決着つけたいんです」

 今一度、事故の状況をヒヤリングした。
「なんとなくむしゃくしゃし、車を出した、交差点で止まったが、青になった途端発進してしまって、Rさんをひっかけてしまった」

 成城の自宅には家政婦さんもいるセレブ、なぜ、自分でハンドルを握ったのか?
 ご主人は大手製薬メーカーの役員、秘書時代に求婚され結婚したそうだ。
「今後のRさんの治療費と諸経費を考慮して算定します」
「はい」
「後遺症補償は軽度と思われるので、示談金は総額で120万円でいかがでしょうか?」
「わかりました」
 Rさんに120万円を支払うことで決着した。僕は、成功報酬としてRさんから25万円もらうことになった。

 示談書と現金のやりとりのため、Sさんを呼び出した。
 新宿のレストランにSさん(里美)が来たのは、5日後の昼さがりだった。
 書類と現金のやり取りは無事終了した。里美の健気さが妙に不思議だった。里美は不幸な人生を選択している。

「ところで、里美さん、貴方は現在の生活に満足されていますか? 十分な収入と上流階級のご主人、家政婦さんもいて、何不自由ない生活ですね」
「そんなこと言われたのは初めてです」
「ご主人とは満足な生活されていますか?」
「考えたこともありません」
「ご主人とのセックスに満足されていますか?」
「もう、何年もありません」
「それは、いけませんね」
「仕方ありません」
「これから気持ち良いセックスしませんか?」
「無理です、なに言ってるの」
「里美さん、綺麗なんだからもったいない、セックスしましょう」
「そんなことしたら破滅よ」

 それでも里美はなかなか己を壊さなかったが、「里美さん、君はもっと大胆になるべきだよ」
「主人が怖いわ」
「乗りだそうよ、思い切って飛び出そうよ」
「怖いの、できるわけないでしょ」
「このまま、今の生活を続けるのかい」
「それもそうだけど」
「とりあえず海でも見に行きましょう」
「わかりました」

 ビールとつまみを買い、小田急のロマンスカーに乗った。車内でいろいろな話をした。里美は徐々に明るくなっていった。
 小田原で乗り換え、熱海に行った。手をつないで海岸を散歩した。
「セックスする気になった?」
「そう直接的に言われると」
「里美、君が欲しい、一緒に快感を味わいたいんだ」
「まるさん、本当なの」
「本気だよ」
 里美は家政婦に電話をした。

 海辺の高級ホテルに投宿した。部屋に入って、窓から海を眺めた。抱きしめてキスをした。
 明らかにぎこちない。
 里美は本当のセックスを知らないことが、容易に推測できた。

「いいかい里美、セックスは頭を真っ白にして、獣のように交わるんだよ、恥じらいやプライドを捨てて淫乱に絡み合わないと、皆そういうセックスしてるんだよ」
「頑張ってみます」
「じゃあ、オッパイ吸ってって言ってごらん」
「う、ううう、オッパイ吸って」
「チンコしゃぶりたいって言ってごらん」
「チンコしゃぶりたい」
「オマンコなめてって言ってごらん」
「言えません、恥ずかしいわ」
「いいから、言って」
「オマンコなめて」

 脱がせっこし、全裸になった。
 小さなオッパイ可愛い乳首と小さなヒップがあらわになった。キスをしながら全身を愛撫した。
「もっと、舌を絡ませて、もっと吸って」
 里美の緊張が少しづつほぐれてきた。
 ベットに倒し、オッパイをしゃぶった。
「気持ち良いだろ」
「あーー、うん」
 相当感じてきたみたいだ。

 マングリ返しにしてオマンコを入念になめた。
「里美のオマンコ美味しいよ」
「ありがとう」
「里美のオマンコなめてるところを見てごらん」
 里美は素直に見た。5分くらいでイッテしまった。
 里美も正常な女だ。今までろくなセックスしかしていなかっただけだ。

 ベットの上に仁王立ちした。
「俺のチンコしゃぶって」
「はい」
「両手は後ろ、狂ったようにチンコしゃぶって」
 気持ちいい!

「里美のオマンコにチンコ入れて」って言ってごらん。
「ささ里美のオマンコにチンコ入れて」
「スケベな里美のオマンコにチンコぶち込むよ」
 じっくりと挿入した。

 しばらくキスしたまま動かないでいた。
「腰振って欲しいか?」
「振って」
「里美のオマンコの中を突いて欲しいか」
「して」
 激しく腰を振った。結構大きな声を出していた。
 発射寸前に抜いて、里美の顔にザーメンをぶっかけた。

「どうだった? 俺とのセックス」
「初めてよ、こんなに感じたのは」
「あとでまたしようね」
「喜んで!」

 商店街で下着とゴムを調達し、魚介料理店で夕食を取った。
「里美のセックスとっても良いよ」
「お世辞でしょ? 胸も小さいし」
「いや、胸の大きさなんか関係ない、十分自信持っていいよ、すごい快感だったよ」
「ありがとう、思い切って来て良かった」
「本来男と女は激しく求めあう動物だからね」
「今まで経験なかったから」
「ご主人は罪な人だな」
「たぶん浮気してると思うけど」
「ホテルに戻ったら、もっと気持ちいいセックスするからね」

 ホテルに戻り、大浴場に行った。
 俺は先に部屋に戻り、Rさんに電話した。
「示談の件、完全に終わったよ」
「まるちゃん、ありがとね」
「今、里美さんと熱海に来てるんだ」
「えっ何それ」
「もう一回して、これから第2ラウンドさ」
「困った人ね、報酬カットね」

 しばらくして里美が戻ってきた。
「もう言わないから最後にもう一回言うよ、セックスは恥じらいを捨てて野獣の如く交わるんだよ」
「ええ、十分わかりました」

 全裸になった。キスはねちっこくなっていた。
 入念に全身を愛撫した。
 さっきはしなかった69をじっくりとやった。フェラチオも格段大胆になってきた。
「里美、言って」
「まるさんのチンチンをオマンコに入れて」
 里美を上にし、チンコを握らせ挿入させた。腰をもって自分から腰を振らせた。

 一旦チンコを抜いて、ゴムを付けバックの態勢をとらせた。
「里美欲しいか?」
「そのチンチンを里美のオマンコに入れて」
 白いお尻を抱えながら、ズンズン突いた。我慢の限界を超え、思いっきり発射した。

「3回くらいいっちゃったわ」
「そうか、それは良かった」
「私、あなたが好きになりました」
「俺も里美のこと初めて会った時から好きになったよ」
「これからも会ってくださいますか?」
「もちろんです、ただご主人に気づかれないように十分注意してね」
「はい、肝に銘じます」

 裸で抱き合って寝た。
 翌朝、自然とセックスしていた。
 熱海城に行き、駅の近くで食事をとった。帰りの新幹線の中では新婚さんみたいだった。
 以来、里美と付き合っている。今では完全に淫乱熟女になっている。
(ロマンス&ラブトーク掲示板より 2009年7月2日 男性 会社員 40歳)

 
 あらあら、なんてことでしょう。代理人の立場とはいえ、相手は交通事故の示談の相手。心を許すような立場ではない……。にも拘わらず、こんなことになるなんて、まさしく「お金でカタがつくなら、さっさと片付けてしまいたい」という、乾いた気分だったんでしょうね。それにしても、それだけのセレブが、代理人も立てずに自ら交渉に来るとは……。そもそも、車の保険って、示談サービスがついてるのが普通なんだけど、家族にバレるのがいやで、保険屋にすら、連絡していなかったのでしょうか?

 
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