女装のとりこになった私  by 祐子





 



 こんなことがあってはいけないのでしょうが、ひそかな私の楽しみになってしまいました。
 綺麗な人妻のパンティーやブラジャーなど、その持ち主を想像しながらオナニーをしたり、そのパンティーを身に着けているのです。

 私はある分譲マンションの仕事をしています、それがどこかは秘密です。かなり贅沢なつくりで防犯システムが完備しているので、外部からの進入は難しくすべてが集中管理されているのです。
 そのために各戸で勝手に鍵を作りかえる時も届け出ることになっています。

 そこのマスターキーをコピーして持っている立場なのです。
 私の楽しみというのは、あることをきっかけとして起こりました。
 入居者からガラスを割ってしまったから、硝子屋が工事に入るので留守中だが部屋を空けて工事をさせておいて欲しいのでよろしくと頼まれたのです。工事の人を案内する都合もあり、そこに入りました。
 20畳あまりの広さのリビングルームの窓ガラスが割れていました。

 そして見てはいけなかったのですが、夫婦の寝室や和室をのぞいてみました。新婚間もない産婦人科医の美人の奥さんが着ていたネグリジェが寝室のたんすの前にあり、急いで着替えて出かけたようです。

 そっとタンスをあけると、まばゆいばかりに色とりどりの下着がありました。
 その中から1枚奥の端のほうに押しやられていた、エメラルドグリーンのナイロンのパンティーが目に付きました。
 わたしはおもわずそのパンティーをポケットにいれました。

 その奥さんからは硝子工事も無事終わりありがとうと、お菓子までもらったのです。その奥さんのパンティーを履いているとも知らないで。
 そのあとも下着のことは何の話題にもなりませんでした。それに味をしめてしまったのです。

 マンションの防犯のため、逆に誰が出かけて行ったかが手に取るようにわかるのです。各階の巡回をしながら、だれもいない部屋にそっと入りこみ、若くて綺麗な奥さんや娘さんの下着だけを、1枚ずつポケットにしまいました。

 それだけではなく地下にゴミの集積場があるのですが、衣類や本は資源ごみなので、私が整理していました。
 そのなかから、ドレスやスカート、コート、そして秋には水着などを見つけ、コレクションは溜まるばかりです。処分された本や雑誌の中には無修正のアダルトの雑誌もあり秘密の楽しみは、さらにエスカレートしたのです。

 まだ独身の私は、下着から服、化粧までしてウイッグを頭にしっかりとめると完全女装して、大胆にも外出までするようになったのです。
 最近ではデパートや下着の専門店で、自分の好みのランジェリーを買ったり化粧品も完全に揃えました。
 女装姿の自分に自信があります。素敵な貴方に抱かれたいわ。
 ああ、今夜も女になりたいわ。
(アブノーマル変態告白掲示板より 02/07/06)

 
 セックスの趣味や嗜好は人それぞれだし、他人の性癖に対して「変態」呼ばわりする権利は誰にも無いと思うけれど、犯罪はやめとこうぜ。買ったもので女装するのはいいけどさ。

 

前へ   もくじ   次へ