結婚前、妻子ある人と…1  by るな その1





 



 付き合って4年目の彼と自然消滅しかけていたとき、今まではただの会社の先輩だった妻子持ちのたあくんと社内メールでやりとりするようになりました。
 最初は異動したての仕事場の悩み相談メールだったのですが、そのうちに本当にわたしを大事に思ってくれているんだと思い始め、好きになってゆきました。
 彼も、新しい職場でしゃにむに頑張っているわたしを見て、好意を持ってくれたようです。

 たあくんとは、お付き合いするようになってからも昼休みに時間を合わせて食事をしたり、会社帰りに待ち合わせてお酒を飲んだりしているだけでした。
 そんなわたしたちが初めて会社をさぼって一緒に休みを合わせデートしたのは3ヶ月も後のこと。
 公園を手をつないで散歩して、ご飯を食べて、海を見ながらいっぱい話をしました。
 道すがら、ラヴホの前を通りすぎようとした時・・・たあくんの手がわたしの手をぎゅっと握り締めました。でも、歩く速度を落とさずにその前を通りすぎたのです。
 その日のデートは、そのあとこころゆくまで公園のベンチで肩を寄せ合いながらお話して、終わりました。

 それから、また3ヶ月後・・・
 ようやく時間がとれて、日中デートに出かけました。
 わたしは、待ち合わせたときからなんとなく無口でいました。それもそのはず、わたしは、親や周りの圧力で、復縁しかけている彼との結婚を考えなければならなくなった、という報告を、たあくんにしなければいけなかったからです。
 たあくんは、すごくつらそうでした。けれど、るなの人生に自分が波風を立てるわけにはいかないから、るなが自分の側を離れて行くまで愛し続けるよ、と言ってくれたのです。
 公園のベンチで、涙が止まらなくなったわたしに優しくキスをしてくれたたあくん。
 わたしは、思わず「今日は、わたしをあげるために来たんだ」
 朝から、ううん、今日の約束をした1週間も前から考えていた言葉を口にしました。
 たあくんは、「るなの顔を見るのが今日が最後になるなら、つらくて抱けないよ」と言いました。
 この人は、本当にわたしを大事にしてくれている・・・そう思って、また涙が。
「ずっと好きでいたいから、抱いて欲しい」わたしがそう言うと、「じゃあ、このことで絶対に突然僕の前から姿を消したりしないでくれよ」と・・・。

 わたしたちは、公園からほど近いラヴホに入りました。
 たあくんの手は熱く、ものすごい力でわたしの手を握ります。わたしは、ドキドキしてしまい、足が震えます。部屋を選んで、エレベーターで上がる間もお互い下を向いたまま・・・
 いつかはこんな瞬間が来ると思ってた。ずっとこうしたかった、それは半年かけて温めてきた思いに感極まって、目を合わせることすら切なくなるふたりでした。

 部屋に入り、静かにベッドに腰掛けるわたしたち。
 たあくんは、「るなが誰と結婚しても、僕はるなを愛し続ける。愛させてくれ」
 そう言うと、キスをしました。舌と舌が絡まる、ディープキス。これまでもたあくんとキスなら何度もしたことがありましたが、密室でするキスは爪の先までしびれました。

「シャワー浴びたい」わたしが言うと、「一緒に入ろうか」
「恥ずかしいから後で来てね」というと、「その恥じらい方がかわいいね」と言ってくれました。
 浴槽の中で待っていると、一糸まとわぬたあくんが・・・
(心に残る最高のセックス 02/10/07)

 
 わあー! いよいよこれからというところになって終わりかよー。と思ったら、ちゃーんと続きがありました。「続きは今度」と書きながらちっとも投稿してくれない「エセ連載投稿者」諸君、見習いたまえ。ということで、次のページへクリッククリック。

 

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