俺達はステージに立って抱き合った。俺はステージの奥を向いており、恵子は俺の肩に顎を載せて会場の方を向いている。 |
俺も恵子もキスだけで相手を喜ばせる術をいやというほど身につけていた。舌と唇で興奮しきった俺達は、唾液でべとべとの唇を離した。恵子の口の中で射精したように、俺達の唇の間には糸がひいている。糸はたるみ、やがてそれぞれのあごにべったりと貼りついた。 |
俺はあっという間に上半身裸にされた。 |
「座って」 |
刺激的な熱さをがほとばしるのを感じて、俺はハッと目を開けた。ズボンはファスナーを下ろされて大きく前が開いていた。大きくせりあがった俺の欲棒に、恵子は器用に指をからませている。どんな動きをしたらこれほどの快感をもたらしてくれるのか、おれにはわからない。 |
なぜ佐多佳代が、こんな夜中に社屋の屋上にいたのか俺にはわからない。 |