俺は有給をとったが、岡本はちゃっかり出張を入れていた。北陸地方は研修以来俺には縁の遠い土地だが、岡本にとってはつい先日まで、福井・金沢・富山といったところは活動拠点であったから、今でもつながりが深い。本社に戻ってからの部局が「支店統括部」とあって、支店に顔を出せばそれなりの扱いでもある。 |
金沢は北陸地方有数の大都会だが、駅前はなんだか湿っぽくてくすんでいる。それは街の中心が駅前ではないからで、少しは繁栄したけれど、いつのまにか置いてきぼりを食らった地方のような感じがした。 |
「お前は先にチェックインしていてくれ」 |
チェックインを済ませた俺は、荷解きもせずに、そのままベッドに倒れこんだ。なんとなく疲れた。 |
ホテルの喫茶室でサンドイッチをつまんだ俺達がやってきたのは、横高江町という倉庫街だった。スーツでも作業着でもない男の二人連れがこんなところをうろついているのはなんとなく不自然だったが、不自然だと思っているのは俺だけかもしれない。 |
フライデーナイトアベニューに集まる男女は、セックスだけが目的、ということになっている。彼女の行動はまさしくその通りだった。小さな部屋に入るなり、サユリはすぐに服を脱いだ。俺もつられるように衣服を取った。 |
サユリは俺のモノをしごきながら、ゆっくりとかがんでいく。彼女の唇が俺の首筋を下へと向かって這う。その微妙な摩擦と時折いたずらっぽく舌でねっとりと撫で上げられる感触で、俺はゾクゾクした。相変わらず続くペニスへの直接的な刺激とあいまって、お尻の穴がキューっと絞りあげられるような快感が走った。 |
実は、その瞬間、俺はイッていた。射精はしなかったが、心も身体も十分に満足させられて、感覚的にはイッてしまったのだ。 |