「クスリのことも、色々な女性とのセックスも、お金をもらっての仲介も、おふざけが過ぎたようです。色々と問題も起こりつつあるので清算しなくてはなりません。こつぶさんも何もかも忘れて普通の生活に戻ってください。今なら間に合います」 です・ます調のメールが、Rさんの切羽詰った状況を物語っているように思えた。 でも、あたしにはそんなことはもう、どうでもいいこと。 支払いを済ませて喫茶店を出て、駅へ向かう。 Rさんを追うならいずれにしても電車に乗らなくてはいけないだろう。 朝からはめっぱなしの玩具が、手元のスイッチひとつであたしに悪戯をする。 トロリトロリと太腿に雫が垂れる。 シースルーの上半身に差し込む視線。 細胞の奥に刻まれた快感の記憶。 あたしは出来るだけ詳しくあたしの状態をメールにしたため、最後に「会いたい」と付け加えて、また送信した。 返信は来ない。 会いたい気持ちと、男たちの視線と、そして溶解してゆくあたしのアソコ。 耐えかねて駅のトイレに駆け込み、声を殺して自慰にふける。けれど、最後の瞬間、思い切り喘いでしまった。 トイレの個室で誰かが卒倒したとでも思ったのだろうか。キャという小さな悲鳴がした。 人でも呼ばれたらまずいと思い、あたしはすぐに個室から出た。 スカートはまくれあがり、半分ずれたままのパンティを右手でひっぱりあげつつ、左手には大人の玩具。恍惚の表情。上半身は恥ずかしげも無く乳首の透けたいでたち。 こんなあたしを目撃した中年女性は、「ひいぃ」と喉の奥を詰まらせて、開いていた個室に閉じこもってしまった。 身繕いをして、トイレからでる。 適当なベンチに座ると、メールが2通。 ひとつはKさんから。体調を崩したという電話を自分が受け取ったということにしているのに、自宅にいないのは困るじゃないかとのこと。仕事のことで誰かがあたしに電話を入れたのかもしれない。 あたしは「レイプされて落ち込んでいてそれどころじゃないんだけど」と返信。 もうひとつはRさんから。 「何もかも話す。聞く覚悟があるなら、おいで」とのこと。「全てを聞いたらキミは僕から離れていくだろう。それも、とことん傷ついて」 傷なんかつかない。全てを聞いても何も変わらない。 あたしはRさんとセックスしたいだけ。 シースルーの二人でいたい。 どこまでもついていく。 あたしは、「どこにいるの?」とだけ、レスを返した。 |
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