余韻 ５
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◆靡く（なびく） 「俺に会えないから、若い男と寝たのか？」 ワタシは答えなかった。答える必要などなかった。 いつだって顔色を変えない祐一を試したくて。 ついつい子犬との戯れをばらしてしまう。 なんて安っぽいソープオペラ。大人と子供のケンカ。 「祐一は帰る場所があるじゃない……ワタシだって対等でいたい……」 「対等？ なんだって？」 「だってワタシたち……リベラルで対等に恋をする……関係でしょ？」 ビクビクしながらワタシは口をひらいた。 すると祐一が、眉根をひそめて訝しそうにワタシを睨んだ。 「お前は子犬が自分に靡くのが、楽しかっただけじゃないのか？」 ドキン…… 「それとも……俺にそうされたい……とか？」 時折、彼は冷めた惑星のような目をする。 |
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◆躙る（にじ・る） 祐一は笑いながらワタシの尻を見下ろし、跨った。四つんばいのワタシの四肢は祐一の重みで戦慄（わなな）いた。小気味よく太腿を打ち、すかさずくねる尻穴を撫で回す反復動作。 「ひぃ……」ワタシは掠れた声をあげた。 しかし痛みと気持ちよさが交互に襲ってくるせいでじっと耐えた。 恍惚の牝馬のいななき……堕ちる淵の深さは果てしない。 「おや……こんなところからお汁が垂れてきたぞ」 太腿を打つ手がとまったかと思う間もなく、ショーツの股布ごと指をぐいぐい押し込んできた。 「いやぁっ……やめ……てぇ……」 「口答えするんだ？俺だけじゃ我慢できなかった癖に……」 祐一が立ち上がりワタシの背中を裸足でぎゅうぎゅうと躙った。 熱い……熱い……鉄槌を打ち込まれたように。 打たれた腿も、さっきまで指を捻じ込まれた膣壁も。 もっと……もっと……内臓が燃え上がるように。 |
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◆拭う（ぬぐ・う） 床にうつ伏せたワタシの尻から、アナタはショーツを剥がした。そうして持ち上げた尻肉を左右に広げ、ザラザラした顎があてがわれた。 ゴシゴシと擦られる刺激はワタシの指では味わえない摩擦感。もっと欲しくて、痺れる腕で上体を起こし、再び犬の格好になる。 ジュルジュルとアナタの唇が、何度も何度も花弁を拭った。 そして、ひりつく花芯に尖った舌を突きたてた。 ペニスを真似た浅いストロークに、ワタシが短い嗚咽を漏らすと、アナタの両手がワタシの乳房を鷲掴みにした。 「ぎゃぁっ……」 唐突な胸の痛みにワタシは泣いた。 その泣き声に、アナタは火がついたように、今度は尻に噛み付いた。 左手で乳房を弄び、右手は恥丘に潜んだ尖る肉芽を捕らえた。 皮を剥かれた、つるつるの肉芽はあまりに正直だった。どんな刺激も増幅されて、ビリビリと体中を駆け抜ける。 あの膣壁をこそげるよりも、早くて荒々しい快感の波。 |
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◆閨（ねや） 「お前がこの閨で誰と何をしようと勝手だが……」 ワタシをベッドにうつぶせたまま押さえ込んだ。 「なんで、わざと聞かせた？」 「ごめんなさい……だって……」 「気持ちよけりゃ、誰にでも股を広げるのか？」 「違う……違うわ……」 「違う？ 何が違うんだ？ 今だって菫子のお●●こ、びちょびちょじゃないか？」 ワタシの髪を掴みあげ、抑揚のない声で淫靡な原語を吐き捨てる。 「俺はお前の玩具か？ イカせてもらえりゃあとは用無しか？」 いつまでも泣き止まないワタシの蜜壷に祐一がやっと入ってきてくれた。 ……あぁ……違う……これは張り型。 ただ慰めの道具にしかすぎないハリボテをアナタが激しく捻じ込む。 「おねがい、祐一……ゆういちのがほしい……」 「牝犬でも、生のち●ぽとバイブの違い……わかるんだな？」 アナタが覆い被さるようにしてワタシの耳元で何度も牝犬と繰り返した。 祐一の呪文が容易くワタシを中から解放する。 |
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◆飲む（の・む） 「俺だけで足りないこのおま●こに、若い男の●んぽはよかったか？」 ワタシがまた啜り泣きを始めると祐一はバイブのスイッチを強くした。 ごりごりとワタシの膣をグラインドする電動玩具。 異物を差し込まれたままワタシをベッドの上に座らせた。 そしてワタシの顎を閉じないように、固定したかと思うと肉棒を突き入れてきた。喉を塞がれた反動でワタシはえづくが、吐き出すことはかなわなかった。 「俺にヤキモチ妬かせて嬉しい女なのか？ 菫子は……」 今夜初めての射精……あの森林浴に似た匂いと苦味が喉に迸った。サラサラとした祐一の精液をワタシは喉を鳴らして飲み下した。許してくれる……いつものセックスに戻れると信じていた。 だからワタシは丹念に祐一の分身を舐めとった。 腰の下では低いモーター音が鳴り続けている。 ワタシが時々一人寝を共にする玩具の慣れ親しんだ音。 刺激を受けすぎたせいか、すっかり下半身は麻痺していた。 どこか遠いところへ置き去りにされたかのように…… |