「ねえ、ちょっといい?」 ある日の放課後、わたしは弥生に呼びとめられた。 「うん、いいけど」 この日は習い事もしていなかったし、別になにか用事があるというようなことも訊いていなかった。 けれども、学校が終わったらいったん家に帰ること、わたしはそう躾られ、今ではそれが身についていた。遅くまで学校に残ったり、どこかに寄り道するというのは、いけないことだったのだ。 「何時にどこにする?」と、わたし。 弥生は「今からじゃ、ダメ?」と、訊いた。 「ううーん」 季節は初夏。夏休み前の短縮授業まで、あと1週間だった。6時間目の授業が終わった後でも日は高く、空気は暑い。 「ね、すぐすむから」 「うん・・・」 わたしと弥生は帰る方角が反対だった。それぞれいったん帰宅した後では、再び会うのはちょっとやっかいだ。わたしは「少しだけなら」と答えた。 弥生の家は、学校から帰るのが遅くなっても口うるさくないようだった。逆に、帰宅してしまうと、宿題がどうの、家の手伝いがどうので、外出しづらいのだそうだ。 校門を出て、わたしの家の方角へ行くか、それとも弥生の家の方向へ向かうか、どうすべきだろうとわたしは一瞬立ち止まったが、弥生は何の迷いも無く、わたしの家のほうへ向かってスタスタ歩き出した。 「わたしの家に来る?」 「ううん、家は、ちょっと・・・」 「そう」 結局、学校の敷地のフェンスを回り込み、校庭に寄り添うように茂っているこんもりした小さな林に入った。神社の敷地である。 夏の太陽が木々の枝にさえぎられた参道。正面に神社の建物があり、その前だけが少し広くなっている。けれど、わたし達はそこまで行かず、その手前にある小径に入るために右に折れた。 そこは人がひとりやっと通れる程度の広さで、きちんとした道ではなかった。踏み跡でしかなかった。それはひときわ太く大きな木の根元で終わりとなる。その木は御神木とかではないし、なにかいわれがあるわけではなかった。誰かが悪戯心で林に分け入り、その木のせいでそれ以上進めなくなったので、そこで引き返した、そんな感じだ。何人も、何人もが同じことを繰り返し、踏み跡はとうとう小径になった。 「良かった、誰もいなくて」と弥生が言った。 「え?」と、わたし。 「ここで良く、抱き合ったり、キスしたりしている人がいるの。そんな時は遠慮するのが決まりなんだって」 「なんだってって、誰が決めたの?」 わたしは舌がもつれた。確かに人目にはつきにくいだろうけれど、それにしたって外だ。こんなところでキスするなんて、誰に見られるかわからない。 「知らない。お兄ちゃんが言ってた」 弥生には四つ年上の兄がいる。 「中学生になったら、キスとかするのかな」 「エッチの経験もあるんだって言ってた」 「へえ〜」 平静を装いながら、わたしは内心ドキドキしていた。中学生になったらエッチもする。キスだけじゃない。キスの経験も無いわたしだけど、本当にドキドキした。わたしの中に、男の人が入ってきて・・・・ アソコがジュンとなった。 え? うそ? わたしは焦った。だって、触ったりなんかしていない。何もしていない。なのに、まるで掌でゆっくり撫でまわしたときのようなトロンとした心地よさが広がっていく。 たまらなくなってわたしは、足を閉じた。ギュッと力を込めて。すると一段上の気持ち良さが訪れた。 「ねえ、オッパイ・・・」 わたしの胸を見て弥生が指摘した。 「そろそろブラジャーしたほうがいいんじゃないの?」 「やだ、わたしはまだ胸は・・・」 そう、まだわたしの胸はほとんど膨らんでいない。間もなく花開く兆候がある、という程度だ。 「でも、先っぽが・・・」 「え?」 乳首が立っていた。その様子は透けて見えた。おまけにTシャツを押し上げている。身体を揺さぶると乳首の先が布に擦れ、変な感じがした。変な感じは「気持ちいい」と同じものだとすぐに気がついた。 |
「あたしがエッチな話しをしたから、かんじちゃったのね?」と、弥生は顔を赤らめた。 「そ、そんなあ・・・」 「ううん、お兄ちゃんがいってたもん。男はおちんちんが立って、女は乳首が立つんだって」 わたしはどう答えていいかわからなかった。 「正常な女の子はみんなそうなんでしょ?」 「だけど、わたし、こんな風になったの、初めてだから・・・」 「それはちゃんと大人になってるってことよ」 「そうかなあ」 「そうよ、羨ましいわ」 羨ましいわの「し」あたりから語調がつよくなり、「わ」のところではほとんど弥生は叫んでいた。その急激な変化にわたしはとまどった。 そして弥生は、木の根元に座りこんで顔を覆い、ぐすぐすと泣き始めた。 「ねえ、ちょっと、どうしたのよ」 ヒクッヒクッとしゃくりあげながら、弥生は肩を震わせる。 突然の弥生の変化に、わたしはどう対処していいかわからなかった。 |
結局わたしは何ほどの言葉もかけられないまま、弥生が落ち着くのを待つしかなかった。 それほど長い時間ではなかったような気もするし、とてつもなく長い時間のような気もした。待つ間に、どうして弥生はわたしを呼び出したのだろうと考えた。その答えは出なかった。 「ごめんなさい」と弥生が言った。 もう泣いてはいなかった。 そして、「ねえ、訊いてもいい?」と言った。わたしは「うん」と答えた。ちょっとイヤな予感もしたけれど、さっきまで泣いていたクラスメイトの願いを断ることは出来なかった。 「じゃあ訊くけど、オナニーしたことある?」 「え、ええ!?」 今度はわたしが大声をあげる番だった。 「知ってたら、やり方を教えて欲しいの」と、弥生は言った。 わたしはしばらく黙っていた。「知ってる」「どうしてそんなこと訊くの?」「教えてあげてもいいけど」・・・、いくつもの言葉が口から出そうになっては引っ込んだ。 開いたり閉じたりするわたしの口を見ながら、弥生はじっと待っていた。わたしが何かを言い出すのを。後から考えると、弥生はこのとき、既にひとつの答えを得ていたんだろうと思った。「オナニーしたことある?」と問われて、したことが無ければ即座にそう返事すればいい。そうでないのなら、したことがある、ということだ。 「・・・・ある、けど・・・」 ようやくわたしはそれだけを言うことが出来た。 「ねえ、気持ちいい?」 「・・・・うん」 「そう、やっぱり・・・・。お兄ちゃんもそう言っていた。大人の女はオナニーとかするんだって。それでとても気持ちがいいって」 「うん、気持ちいいよ」 ここまで話してしまったら、もう今更恥ずかしがって隠しても仕方ないと思った。 「みんなしたことないって言ってるけど、そんなことないと思うよ。全員じゃないけど、何人かは経験あると思う。で、誰にもそのことを言えずに、一人で悩んだり、考え込んだり、やめようと思ってもやめられなかったり」 「やめなくてもいいじゃない」 「まあ、そうかな」 「それに、そういうのって、あんまり人に話すことじゃないと思うの。だから、誰にも言えなかったの。でも、どうしても訊きたくて・・・」 その相手になぜわたしを選んだのか不思議だったけれど、ともかくわたしは黙って頷いた。 「オナニーしてるのね?」と、弥生は念を押した。 「うん、してる」 「いっぱい?」 「まあ、多分、いっぱい」 「どれくらい?」 「・・・・毎日・・・・、1時間ぐらい」 「ウソ! どうしてそんなに出来るの?」 「だって、気持ち良くて、つい、夢中になるから。だから、1時間以上しないって、決めてる」 「そう、本当に気持ちいいんだ」 「どうしたのよ、いったい」 「あたし、ちっとも気持ち良くならないの。5分も出来ないわ。だから、教えて欲しいの。正しいオナニーの仕方・・・」 |
その後わたしは弥生の前でオナニーの実演をすることになるんだけど、それまでにいくつかのやり取りがあった。 わたしは何となくアソコを触っているうちに気持ち良くなってしまっただけで、ちょっとづつ気持ちいい触り方とか自分で見つけて、感じるようにやっているだけだから、正しい方法なんて誰にも教わっていない。 とか、 確かに気持ちいいけれど、この前、突然、もっと気持ち良くなった。だから、この先もっと気持ち良くなると思う。きっとこういうのは、経験するうちに少しずつ気持ち良くなっていくものだと思う。 とも。 だけど弥生は納得しなかった。最初から少しは気持ち良かったんでしょう? わたしはちっとも気持ち良くないの。 だから、やり方を教えて欲しい。 わたしは困惑した。どうして弥生がこんなにオナニーにこだわるのかわからなかったからだ。オナニーは確かに悪いことではないらしい。けど、毎日やり続けていいのかどうか、わたしにはわからない。やめられないからやっているだけだ。出来ればやめたい、と思うこともある。 わたしがそのことを言うと、弥生はとうとう告白してしまった。 「お兄ちゃんとやりたいの。お兄ちゃんにそう言ったの。そしたら、妹に手なんか出せない。まして処女の妹にっていうの。だけど、あたしはしたいの。お兄ちゃんね、お風呂上りとか裸でうろうろしてるし、着替えとかもあたしがいても平気なの。それで、見ているうちに、欲しくなったの。あたし、お兄ちゃん大好きだし、だからってどうしてお兄ちゃんにして欲しいのか、自分でもわからないけど、見てるうちにお兄ちゃんのおちんちんを入れて欲しいって思うようになったの。だから、お兄ちゃんにそうお願いしたの」 「でも、ダメって言われてんでしょ?」 「あたし、ダメって言われて、泣いちゃったのよ。そのとき、お兄ちゃんは裸だったの。あたしは、泣きながら、お兄ちゃんのおちんちんを掴んでたの。これ、入れてください、って。そしたら、お兄ちゃんの、どんどん大きく硬くなって・・・」 そして弥生は、「せめてオナニーで感じるようになってからだ」と言われ、わかったと答えた。 |
弥生が実の兄とセックスするのがいいことなのかどうか、わたしにはわからなかった。きっと良くないことなのだろう。けれど、弥生の話を聞いているうちにわたしまでおかしくなってしまった。 「わかったわよ」と、わたしは言った。 わたし達は誰も人の気配が無いことを確認した。念のために、わたしは参道に背を向けた。木にもたれた弥生と向かい合わせだ。そして、わたしはスカートをめくった。 そしてパンツの上からいつものように掌をあてがい、モミモミクネクネした。指先は伸ばして、その先端に当たるところをグイグイ押さえた。弥生が見ているのにわたしは感じてきた。掌を離し、指先を自由に股間に走らせた。強く感じる所にはより強い刺激を与え、それがまた感じた。 腰がピクピクと勝手に動いた。昨日よりも気持ちいいと思った。 「ねえ、いつになったらパンツ脱ぐの?」 弥生が質問した。 「脱がないよ」と、わたしは答えた。 「ウソ!・・・・」 「ウソじゃないよ。いつもこうしてるんだから」 パンツに染みが広がっていく。わたしはクラスメイトがいるというのに、膣に布を押しこみ、それが出てこないように指で押さえながら、腰を前後に動かした。これまで勝手に腰が反応してヒクヒク動くことはあったけれど、こんな風に自分で腰をふったのは初めてだった。気持ちがいいのでやめられなかった。 あん、あん、あん・・・・ |
いつまでもそうしていても仕方ないので、わたしはオナニーを止めた。 「ね? 簡単でしょ?」 「よく、わからない」と、弥生は顔を曇らせた。 一瞬、ここまでやらせといてそれはないでしょ? とか思ったけれど、口には出さなかった。 「だって、パンツ履いてるんだもん」 「教えてっていうから、やって見せたんじゃない」 「ねえ、お願い。パンツを脱いで、やって見せてよ」 わたしはため息をついた。もう帰れると思っていたのに、新たなリクエストを受けたからだ。それにもう20分はしていたから、一日の割り当て時間はあと40分しかない。これ以上減ったらいやだなと思った。 だけど、弥生の真剣な表情に、断れなかった。わたしは下着を脱いだ。 「指とか入れないの? お兄ちゃんは、指や色々なものを入れるって言ってたわ」 「指は、時々、少しだけ」 「お願い、入れて見せて」 もうどうでもいいやと思った。わたしはゆっくり足を開いて、右手を持っていこうとした。 「あ!」 弥生が叫んで、わたしの手よりも早く、わたしのおめこに顔を近付けた。 「ちょ、ちょっと、何よ!」 「だって、だって、あたしのと全然違う!」 「違うわけ無いでしょ。同じ女なんだから」 「だけど、全然違うもの。見てよ」 弥生は立ちあがり、さっさとパンツを脱いだ。周りの状況を確認しようともし無かった。少し興奮しているみたいだった。 「ほら、見て」と、弥生は足を開いた。 そこは一直線にラインが入っているだけで、きちんと閉じられていた。わたしは自分のを鏡で見たことがあるけれど、ひだがあって、真中が開いている。周囲には毛も生え始めていた。 「で、どうやって、してるの?」 弥生は実演してくれた。割れ目を開こうともせず、きちんと閉じた足と足の間の皮膚をすりすりと指を這わせるだけだった。 「そうじゃないの」と、わたしは言った。なるほど、確かにパンツの上からでは、わたしがどうやっていたかはわからないだろう。 わたしは手を伸ばし、割れ目に指を刺し入れた。そして、ツツーっと指を前後に動かした。自分でするときのように、最初はゆっくり、徐々に早く。 「あ、ちょっと気持ちいい」と、弥生はつぶやいた。すぐに濡れだした。 「自分で開いてみてよ」 「うん・・・・」 弥生は割れ目の両側に4本ずつ指を添えてガバット開いた。 「あ、おんなじ・・・・」 感嘆したように弥生が声を漏らす。 わたしは指を2本にして、一生懸命擦ってあげた。ジュルジュルとお汁が湧き出してくる。 「あ、あ、感じる。気持ちいい・・・。それに、ラブジュースって、はじめて出た・・・。これが出ないと痛くて入らないんだって」 膣の入り口で指を止めた。 (わたしのより、広い・・・) ためしに、指先に力を入れた。すると指はびちょびちょに濡れた弥生のアソコにズルズルと吸いこまれていく。暖くて、わずかに抵抗感があるけれど、指を拒否はしていない。これにくらべたら、わたしのおめこは指を拒否していると言えた。きっと濡れ方が足りないんだろうと思った。 「痛ああああいいい!!!」 弥生が叫んだ。 「あ、ゴメン」 わたしは慌てて指を抜いた。 「痛かった? びっくりした? ゴメンね」 「ううん、いいの。とっても気持ち良かったから」 「これで、やり方わかった?」 「うん・・・・、わかった。最初は痛いけど、すぐにとても気持ち良くなるってお兄ちゃん言ってたから、練習して、痛くなくなったら、してもらうことにするわ」 どことなく暗く沈んでいた弥生の表情が、今は素晴らしく輝いている。 わたしは思わず、「いいなあ・・・」と口を滑らせてしまった。 「何が?」 「だって、してくれる人がいるんだもの」 「オナニーいっぱいして、もう痛くないんでしょう? だったらお兄ちゃん、頼んだらしてくれると思うよ。頼んであげようか?」 弥生が何を考えているのか、またわからなくなった。 |
一度も会ったことの無い人とセックスするなんて考えられないから、弥生の申し出は断った。 気を悪くされるかと思ったが、そんなことはなかった。「必要ならいつでも言って。今日のお礼の代わり」と弥生は応じた。 その夜、指をそっと入れてみた。弥生と別れてから、ずっとそうしたいという欲求にかられていた。 痛くはなかったけれど、取り立てて気持ちいいということでもなかった。 だから、いつものように、あそこ全体を手のひらで包み込むようにして、揉んだ。けれど、もちろん今夜はパンツはつけていない。直接指で触れた。 それは、ショーツの布越しのようなソフトさなくて、少しだけ刺激が強かった。最初、その刺激の強さにとまどったけれど、一歩大人になったような気がして、だんだんと興奮してくる。 布越しだとジワッと濡れていただけだったのが、ジュルジュルとジュースが流れ出してきた。 お汁が手のひらや指先にまとわりついてきて、滑りがなめらかになる。 我慢できなくなった。というよりも、そこまでしたら良くないんじゃないのっていうブレーキが、どこかに消えてしまっていた。弥生のオナニーを見たせいだろう。激しくこすった。とても気持ちが良かった。中に指を入れてみた。すんなりと入った。弥生のおめこがわたしの指を呑み込んだように、すんなりと入った。さっきと違って、快感を得ることも出来た。ちっとも痛くない。弥生はものすごく痛がったけれど、わたしは痛くない。指を動かすとクチュクチュと音がした。とてもイヤらしい感じがした。 電気の走ったあの日から、わたしの中で目覚めかけていた快感がはっきりとした形になった。津波のようにどんどん押し寄せてくる。 クリトリスも穴のまわりも中も、どこを触っても気持ちいい。わたしは欲望のままに指でアソコを掻き回し、その周辺を撫でなでした。 息が苦しくなってきて、ハアハア言ってる自分に気づく。 片手では足りなくなって、お尻の方から左手も回して、両手で触りまくった。 ぬちゃ、ぬちゃ、ぬちゃ・・・ 頭の中が真っ白になって、何だかわからなくなって、そうだ、あそこに何か入れよう、そう思った瞬間、身体がヒクヒクとなって、わたしは上り詰めてしまった。これ以上気持ちいいのは無いと思った。全身がアソコの気持ち良さに包まれた。 これが、イクってことなんだ・・・ オナニーでイっちゃった。 わたしはその後少しづつイク時の快感の度合いが増して行くんだけど、そんなことこの時はもちろんわからない。わたしはまだ小学生で、まわりの同級生はオナニーの仕方も知らない人もいるというのに、一番気持ちのいいところまで辿りつけたことが嬉しかった。好きな人と裸で抱き合って、わたしの中に大好きな男の子が入って、それでこんなに気持ちいいんだったら、はやく初体験したいと思った。そして、いっぱいいっぱいセックスしたい。オナニーの代わりに、毎日1時間セックスできたら、どんなに素敵だろう? ほとんど放心状態でベッドの上にへたりこみながら、そんなことを考えていた。 |