僕はそれでも教習所に通っている。今日はバックでの車庫入れだ。 |
「次の講義は?」と、ユキちゃん。 |
出席の取り方は極めて単純で、かつ巧妙であった。 |
講義が終わって、教室がざわめく。 |
「さっきのは言い過ぎじゃない?」 |
悪い噂は素早く広がるものだ。 |
そうは言ったものの、噂の出所はひとつしかなかった。 |
木立は車を持っていた。もちろん免許証も。僕は助手席に座らされ、彼女がハンドルを握った。どこへ連れて行かれるかさっぱり分からない。 |
美人だけれど蝋人形のように表情がない。 |