いよいよ卒業検定である。
緊張した。とてつもなく緊張した。
だが、緊張とは裏腹に、それはあっけなく終わってしまった。
一発勝負であるから、「失敗した」からと言って、注意を受けてもう一度やり直す、と言うわけに行かない。
ただ、その場で減点されるだけである。減点が重なれば検定中止だ。
しかし、ひとつひとつをクリアしてしまえば、「よし、この調子で、もう一度」なんて事もない。それで終わりである。
緊張の連続ではあるけれど、安堵の連続でもある。
直線道路では、あっけないほど何もすることがない。
カーブ、制限速度、一旦停止、踏切通過、坂道発進、S字、クランク、車庫入れ、その他諸々。その度に安全確認をしたりウインカーを出したり、何で教習所ではあんなに忙しいのかと思う。もちろん狭いからである。
途中で検定中止を申し渡されることもなく、ゴールへ着いたことから考えて、どうやら合格と思って良さそうだ。
しかし、油断できない。
正式発表までもう少し待たなくてはいけない。
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